G Suiteとは何か?
前回は弊社が実際に「G Suite(旧Google Apps)」を使ってみた結果、営業組織にもたらしたインパクトについて紹介しました。今回からはG Suiteを使ったことのない人に向けて基礎知識を解説します。
本コラムは2016年2月9日に公開した「今さら聞けない“Google Appsのトリセツ” 〜アップスって何?〜」を再編集したものです。Google Appsは2016年9月に「G Suite」に名称が変更されています。
G Suite(旧Google Apps)をWebで検索すると「コミュニケーションツール」「コラボレーションツール」「グループウェア」といったキーワードがヒットします。あまりIT分野に明るくない人にとってイメージしにくい表現や文言が含まれます。
実際に情報システム専任の部門がない中小企業や零細企業のIT担当者の中には「具体的に何をするためのツールなのか」が分かりにくいという人も少なくないようです。そこで筆者はG Suiteを説明する場合に次のようにお伝えしています。
- Googleが提供するクラウドサービスのこと
- 仕事の効率を高めるための、さまざまなアプリケーションをパッケージ化したもの
クラウドサービスとは、インターネット上にデータやファイルを保存することで通信端末や場所に依存することなく、いつでもどこからでもアクセスできるようしたものです。
G Suiteのことは「よく知らない」という人でもGmailやGoogleカレンダーであれば使ったことや聞いたことがあるのではないでしょうか。G Suiteは、このような「仕事を効率的に行うための便利なGoogleのアプリを法人で利用するためにセキュリティやサポート機能を強化したサービス」と解釈できます(厳密には容量制限などの違いもあります)。
1ID当たり月額600円(または年額6000円)を支払うだけで強固なセキュリティとサポート機能がついた状態でG Suiteを自由に使えます(料金は2019年1月現在。キャンペーンによる無料期間などもあります)。
G Suiteにはサーバの役割を果たすオンラインストレージも含まれます。一昔前では考えられませんが起業時にオフィスもサーバも契約せずにビジネスを開始できる、そんな世界観をG Suiteは実現します。
無料で使えるGoogleアプリとG Suite、どちらを選択すべきか
個人向けのGoogleアプリは無料で利用できます。企業のスタンスや利用人数によって異なりますが、法人で利用しようと考えるならば、やはりG Suiteを選択することをお勧めします。
最たる理由はアカウントの管理権限の有無です。個人向けのGoogleアプリを使うと、文字通り「個人にアカウントが付与」され、会社はそのアカウントを管理できません。問題となるのは「個人アカウントで作成したデータやファイルなどは、会社を退職した後でも自由に閲覧できる」というセキュリティ面の課題が残ることです。
G Suiteを導入すると管理者による利用者全員のアカウント管理ができます。退職者のアカウントを凍結するなどの対策が可能です。
繰り返しになりますが、法人や組織でGoogleアプリを利用したいと考える場合は、セキュリティ面を鑑みてG Suiteを導入することをお勧めします。G Suiteを活用できればビジネスの生産性はさらに高まります。一度使いこなせるようになれば、あまりの便利さと使い勝手の良さにきっと手放せなくなると思います。
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