IT導入完全ガイド
そろそろ移行を考えるべき? 「Office 365」「G Suite」導入につまずく原因はどこにあるのか?(1/3 ページ)
「Office 365」と「G Suite」に代表されるクラウドオフィスツール。「知ってはいるけれど、どんなメリットがあるのかいまいち分からない」という方に、特長と導入につまづく原因について説明しよう。
Word や Excel、PowerPointといったマイクロソフトの「Microsoft Office」に代表されるオフィススイートは、今までクライアントPCにインストールして利用するパッケージ型が主流であった。多くの業務システム基盤がオンプレミスからクラウドサービスへシフトが進む中、オフィススイートも徐々にクラウドに向きつつあるようだ。本特集では、マイクロソフトの「Office 365」とGoogleの「G Suite」という、クラウド型オフィスツールの2大サービスに焦点を当て、企業がクラウドオフィスツールに注目する理由やメリット、コストに対する考え方、導入に失敗しがちな企業の特長などを説明したい。
企業はクラウド型のオフィスツールに何を求める?
従来は、「Microsoft Office」などパッケージ型が主流であったオフィスツールが、今なぜクラウドサービスに代わろうとしているのか。その理由として3つ考えられる。
1つ目は「業務に対する考え方の変化」だ。今や、個人のパフォーマンスの最大化だけではなく、社員同士が協業し新しい価値を生み出すことを重視する組織が増えている。従来のオフィスパッケージは、文書作成や表計算ソフトなどドキュメント作成ツールが主であったが、「Office 365」や「G Suite」といったクラウドオフィスツールにはチャットやオンライン会議、オンラインデータストレージといった社員間のコミュニケーションや情報共有に必要な機能も多く備えている。それらをうまく活用することで、組織内にコラボレーションの組織風土を根付かせようと考える(図1、図2)。
2つ目は運用面にある。今や、業務ツールも日を追うごとに機能やUI(ユーザーインタフェース)が改善されることが当たり前となっている。だが、パッケージ型で新しい機能を利用するには、その都度、パッケージソフトがインストールされているクライアントPCごとに更新作業が必要となり、管理側の手間も大きい。その点、クラウド型では常に最新バージョンの機能を利用できるため、運用負担も軽減できる。
そして3つ目は端末を問わずマルチデバイスで利用できる点である。「Office 365」の場合、1ユーザーライセンスでPC端末5台、スマートフォン5台、タブレット5台の計15台のデバイスで利用可能であり、どのデバイスからでもデータ閲覧や編集、共有できる。
例えば、「会社で作成したデータを、外出先からスマートフォンで確認し社内のスタッフに共有する」「天候や災害などにより会社への通勤が困難な場合や私用のため会社に通勤できない場合は、自宅PCからデータにアクセスし作業をする」といった利用も可能だ(図3)。
(資料提供:内田洋行)
コラム:クラウド型は常にオンライン環境でないとダメ?
クラウド型だと「オフライン環境では使えないのでは」という懸念もあるだろうが、Office 365は、あらかじめ端末にツールをインストールすることも可能で、オフライン環境でも利用可能である。また「G Suite」は完全クラウド型であるためオンライン環境での利用が基本だが、「Google Chrome」にアドオン(拡張機能)を適用することで、オフライン環境でも利用可能だ。
大企業では徐々にオフィスツールもクラウド化の波が
クラウド型オフィスツールへの関心度が高まっているとは言っても、まだまだパッケージ型が主流である。2018年5月~6月にわたってキーマンズネットで実施した調査「オフィススイートの利用状況(2018年)・前編」を見ると、オフィススイートのうちクラウド型を利用している割合はわずかであった(図4)。
しかし、クラウド型への移行は大企業を中心に徐々に動きを見せつつある。大規模な企業ではOffice 365やG Suiteなどをオフィスソフトだけではなく、グループウェアとして導入しようとするケースが多いことが理由の一つに挙げられる。Office 365やG Suiteはパッケージ型のオフィスソフトとは違い、ドキュメント作成ツール以外にもスケジュール管理やWebメール、社内SNS、メッセージ機能、データ共有といったグループウェアが持つ機能の多くを備えているため、オフィススイートの切り替えを機に、これまで利用していたグループウェアをクラウドオフィスツールの機能と置き換えようという考えだ。
対して中堅・中小企業では依然としてパッケージ型を利用し続ける傾向にある。その理由にあるのが慢性的な情報システム部門の人的リソース不足である。中堅・中小企業では少数のスタッフで全社の業務システムの面倒を見ている企業も少なくない。そのような状況下では、新規で何かを導入しようという体力などとてもなく、既存のパッケージ型オフィススイートを使い続けることとなる。無理に導入して業務部門から反発を買ったのでは元も子もない。
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注目の技術やITツール。そもそもどういったモノで何に使えるのか、どんなモノを選ぶべきか、課題はあるか、といった情報を基礎から徹底解説します。
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