連載
BIツールの導入状況(2019年)/前編(1/2 ページ)
様々な経営指標を一意に可視化できるBIツール。定例の業務進捗報告などの無駄を解消するツールとして注目を集めたこともあるが、普及の状況はどうなっているだろう。調査ではいっこうに業務が楽にならない現場リーダーの苦悩が垣間見られる状況が明らかになった。
キーマンズネットは2019年1月14日〜2019年2月1日にわたり「BIツールの導入状況」に関する調査を実施した。全回答者数206人のうち、情報システム部門が40.3%、製造・生産部門が13.1%、営業・販売部門が6.3%、経営者・経営企画部門が5.3%といった内訳であった。
今回はBIツールの「導入率」や「導入目的」などの調査結果を紹介する。なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、事前にご了承いただきたい。
日本の課長はレポート作成で忙しい、その時間は何と業務の半分以上
はじめに、現在定型的なレポート作成や複数のデータソースを基にしたデータ加工などの業務がどの程度あるかを尋ねた。回答は「業務の半分くらいを占める」が42.2%で最も多く、次いで「ごく一部で存在する」(37.4%)、「ほとんどない」(12.2%)、「業務の大半を占める」(8.3%)と続いた(図1)。
この結果から50.5%と過半数が定型的なレポート作成やデータ加工に“業務の半分以上”を費やしていることが分かる。
これを役職別に見ると、業務の半分以上を費やす割合は「課長職相当」「スタッフ職」「係長・主任職相当」の順番で高い傾向にあった。
現場状況のとりまとめを求められるリーダーたちの業務の多くが報告のための資料作りに費やされる現状が明らかになった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 【BI導入事例】2倍の受注に「2倍働く」以外の答えを作る――名古屋のものづくり企業が選んだ方法を取材した
製造工程が「ぶっ通しで20時間」もかかるエンジンを取り扱う三菱重工航空エンジン。受注が増える中でサプライヤー管理や品質管理、需要管理の工程を効率化した。IoTなどの未来志向の技術を、現場の効率化に還元する。何にどう効果があったのか。 - なぜ、BIツール業界で「セルフサービスBI」が躍り出たのか――BIツールの変遷を振り返る
「セルフサービスBIって従来のBIと何が違う?」そんな疑問を抱える人も多いかもしれない。今回はセルフサービスBIがBIツール業界の中で注目されるようになった理由や導入効果、情報シスの役割などについて検証する。 - 「そして誰も使わなくなった…」放置されたBIツール、「牛角」チェーンの復活劇とは
「牛角」などの飲食店チェーンで知られるレインズインターナショナルは、海外製のBIツール導入に失敗、「導入1年後には誰も使わなくなった」状況に陥った。同社のBIツール活用の軌跡とは。 - セルフサービスBIを使いこなす、社員1100人以上に普及させた導入術とは?
セルフサービスBIを使いこなす従業員が1100人もいるNTTデータ。ユーザー部門が主体となってダッシュボード制作やデータ分析やできるといわれるセルフサービスBI、そこで情シスが持つべき役割は何だったのだろうか?