今のAIブームは単なるお祭り騒ぎか 1541人に聞いたAIビジネス利用実態(1/3 ページ)
第3次AIブームと呼ばれる現在、RPAと並び企業の関心が高いAI。今のブームは一時的な盛り上がりなのか、それとも定着の前段階なのか。それを探るために、1541人の読者に対して勤務先でのAI活用状況について聞いた。
キーマンズネット編集部では、2018年11月26日〜12月21日にかけて、会員読者を対象に「IT活用状況調査」(有効回答数1541件)を実施した。「セキュリティ対策」「SaaS」「RPA」「改元対策」「EoS対策」「働き方改革」「AI」の7つのトピックスに分け、動向を調査した。第6回では、「AI」(人工知能)に焦点を当てビジネス利用がどこまで進んでいるのか、また読者企業にとって今のAIは“使える技術”なのかを探った。
調査サマリー
- 約8割強が業務においてAIは必要であると回答
- AI活用が最も求められる業務分野は「販売促進、マーケティング」
- 関心はあるがAIを実際に活用する企業は15%にも満たない
- 主にサポート対応などでのAI活用が目立つ
「AIは必要ない」と考える企業の心の内
現在、第3次AIブームといわれ、再び盛り上がりを見せるAI。データ処理や分析を効率化させる手段としてRPAと並び期待されている技術だ。第2次AIブームの時と比べて実利用も現実味を帯び、先端技術に敏感な企業では既にAIをビジネスに取り入れている企業もある。
そこで、まず今後の業務においてAIは必要とされる技術なのかどうかを知るため、業務やシステムにAIは必要かどうかを尋ねた。その結果、「必要だと思う」と回答した割合が最多で85.4%、「必要だと思わない」が14.6%という結果であった。
AIに有用性を感じ多くが業務に必要だと感じている中、「必要だと思わない」とした14.6%の層にその理由を聞いた。その結果、「まだ成熟していない技術だから」「最終的には人間の判断が必要だから」といった、今のAIはまだ不完全だという旨のコメントが目立った。
その他、「どの程度、業務を任せられるかまだ見えない」「AIの活用方法についてまだ具体的にイメージできていない」といった、活用イメージが湧かず未知数の部分があるという旨のコメントも多く寄せられた。
これらの意見から考えると、昔よりもAIは身近な技術になりながらも、ビジネス利用となるとまだ距離が縮められていない部分があることが見て取れた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 7つのITトピックス 〜2019年のIT投資動向〜
- なぜ日本コカ・コーラは「SNSマーケ戦略」にハッシュタグを捨てAIを選んだか
消費者マーケティングに注力する日本コカ・コーラが次に挑戦したのは、SNSの投稿画像を使った消費者理解。そこで約7万点にも及ぶTwitterの投稿画像が集められた。そこからどうやって消費者心理を知ろうというのか。 - AIは人間の仕事を奪うのか? ビジネス現場の導入実態
読者1549人に聞いた、2018年に注目すべきITトピックス。「AI活用」編では、企業規模別のAI活用実態や課題についてまとめた。 - RPA、AI、チャットbot、期待はあるが一般化はまだ先
RPA、AI、チャットbot。働き方改革を実現する手段として注目を集める業務効率化のツールだ。ツールへの期待が過熱する中、業務の自動化に関する企業の取り組みはどうなっているのか。 - メルカリ弁護士が語った「AIにシゴトを奪われる人間」の生存戦略
今ある仕事の47%がAIに奪われる時代に、われわれは何をなすべきか。日本有数のAIベンチャーで法務や事業開発を担ってきた人物が語る、将来AIに仕事を奪われる側の人間がこの先生きのこる方法とは。 - AI企業が描く次世代RPA「ブレインロボ」とは?
「知能」としてのAIと、それを実行する「身体」となるロボットやRPAなどを組み合わせることによりビジネス課題を解決するポテンシャルを秘めている。