「国内SMB IT市場」今後成長が見込まれる産業はどれ?
IDC JapanはSMB(中堅中小企業)におけるIT支出の成長予測を発表した。PCのリプレースや増税により、順調な成長が見込まれるという。今後、IT支出が拡大する産業はどれか。
IDC Japanは、国内SMB IT市場(SMB:Small and Medium-sized Business、中堅中小企業)の2018年〜2022年の予測を発表した。
同社の調査によれば、2020年の「Windows 7」のサポート終了に伴うPCリプレース需要に加え、2019年10月に予定される「消費税増税/軽減税率制度」への対応に伴うシステム刷新および改修を見込み、市場規模は4兆1214億円(前年比1.5%増)とプラス成長が予測される。
従業員規模別で見ると、PCリプレース需要の拡大により全企業規模でプラス成長が見込まれる。だが、小企業(従業員規模:1〜9人)、小規模企業(従業員規模:10〜99人)、中小企業(従業員規模:100〜499人)におけるサーバやストレージに関する支出においては、動きが低調になる。
中堅企業(従業員規模:500〜999人)においても、PCのリプレースや消費税増税/軽減税率制度などがIT支出をけん引し、プラス成長になることが予測される。
2019年のプラス成長の反動により、2020年は小企業および小規模企業でマイナス成長に落ち込むが、中小規模や中堅企業ではシステム刷新や新規開発が続くことからIT支出が拡大する見込みだ。
産業別で見ると、2018年は各産業分野でプラス成長が予測される。情報サービスや製造業、医療、金融においては高い成長率が見込まれる。特に、情報サービス分野では、新たな決済サービスを開始するなどの動きがあり、IT支出も拡大するだろうとしている。
一方、流通分野では、大都市圏での人材不足による業務効率化などでIT支出の拡大が見込まれるが、大都市圏以外の地域では、IT支出を抑制する企業が多く、全体ではプラス成長となるが成長率を見ると1%の成長率にとどまる。
国内SMB IT市場は、2019年まではプラス成長を続けるが、2020年は大型国際イベントなどが終了し、いったんは落ち込むが、その後緩やかに回復する見込みだ。
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