関心が集まる「AI」と「RPA」、企業での実利用はどこまで進んでいる?
IDC Japanは、企業でのAI(人工知能)とRPA(Robotic Process Automation)の利用状況について調査結果を発表した。両者は、いま企業ITにおいて話題のキーワードだが、実際のところ利用はどこまで進んでいるのか。
IDC Japanは、企業におけるAI(人工知能)およびRPA(Robotic Process Automation)の利用状況についてユーザー調査結果を発表した。
同調査によると、企業におけるAIを活用したシステムの利用状況については、「全社的に利用している」と回答した企業は12.3%、「事業部門で利用している」と回答した企業は25.6%となり、2018年4月に実施した調査から利用率がそれぞれ0.4ポイント、3.2ポイント上昇した。
さらに「社内で広くPOC(Proof Of Concept)を実施している」と回答した割合は12.9%、「限定された部門でPOCを実施している」は11.3%となった。これらを合計すると企業におけるAIを活用したシステムの利用率は62.1%となり、2018年に実施した同調査結果の58.5%から3.6ポイント上昇していることが分かった。
AIを活用したシステムの利用目的は、主に「働き方改革」「経営状況の把握」「経営の改善」といった回答が多く寄せられ、自社の内部改革を優先していると考えられる。
RPAの利用状況については、「全社的に利用している」と回答した企業は9.0%となり、2018年調査から2.4ポイント上昇した。一方、「限定された部門でPOCを実施」「導入に向けた調査」「利用しない」とした割合も同時に増加していることから、導入サイクルが一巡し、検討および導入フェーズにシフトしていると考えられる。
また、RPAを利用する企業にAIや機械学習の組み込みについて尋ねたところ、「対話型教育」や「対話型申請プロセス」の利用目的での回答者が多く、OCR(Optical Character Reader)による手書き文字や帳票の自動認識などで利用が進んでいると考えられる。
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