音声認識AIがあればセールスの成約率はアップするか
音声認識技術を生かした業務支援サービスが増えつつある。インサイドセールス業務を支援するサービスもリアルタイムで応答内容を分析して会話の作戦を支援する。
ブリッジインターナショナルは日本IBMと協力して、インサイドセールスの業務を支援する「SAIN」(Sales AI Navigator)のコールナビサービスを販売する。
インサイドセールスは、電話や電子メールを使って見込み客の発掘や絞り込み、案件醸成、クロージングを行う営業改革の手法。SAINは、インサイドセールスに関する全ての管理者とコール担当者の業務を、AI(人工知能)を活用して支援するクラウドサービスだ。会話内容の改善を指導する「モニタリング」や、見込み客を絞り込む「ターゲティング」、顧客との会話をAIによってリアルタイムにナビゲートする「コールナビ」の3つのサービスによって、インサイドセールスの一連のプロセスを支援する。このうちモニタリングとターゲティングは2018年5月から販売していた。今回、コールナビの開発が完了したことから本格販売を開始する。
コールナビは、モニタリングの上位版。IBM Watsonの音声認識機能と自然言語処理機能を活用した。
インサイドセールス担当者と顧客の会話をリアルタイムで把握し、相手の反応に応じて商談に必要な情報の抜け漏れを自動的に提示する。管理者によるリアルタイムモニター機能を備え、管理者からインサイドセールス担当者にアドバイスを送信できる。
ブリッジインターナショナルはコールナビに、複雑な商品やサービスの成約につなげる営業活動にAIを採用するためのノウハウを集約したとしている。同社はこの技術を使ったビジネスモデルの特許を取得した。同社によると、Watsonをインバウンド型の問い合わせやサービス対応に利用する例は多いが、アウトバウンド型の法人営業に活用するのは珍しいという。
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