もはや議事録係も不要? NTT Comの新AIサービスで会議はどうラクになるか(1/2 ページ)
組織にとって業務の効率化が大きな課題となる中、いまだに効率化が進んでいないのが「会議」だ。NTTコミュニケーションズは、AIを活用して会議の効率化を図ろうと新サービスを発表した。これによって、どこまで会議はラクになるのだろうか。
NTTコミュニケーションズは、あらゆるサービスやユーザーシーンにAIを組み込み、データの収集や利活用を促進する「AI Everywhere」を推進する中、AIと音声認識を活用した新たな会議支援サービスを提供すると発表した。働き方改革や業務の効率化にも役立つサービスとのことだ。この新サービスによって組織の会議はどう変わるのだろうか。
自然言語処理を活用したNTTグループのAI「COTOHA」とは
電話通信会社として始まったNTTは、40年以上にわたってグループ全体で自然言語処理の研究を進めてきた。そこで得た知見を生かし、2016年には高精度の言語処理技術を活用したAI「COTOHA」をベースにしたサービスの展開を開始した。
その後COTOHAシリーズとして着々とサービスを拡充し、現在は、対話型AI「COTOHA Virtual Assistant」、AIチャットbot「COTOHA Chat & FAQ」、AI自動翻訳サービス「COTOHA Translator」といったサービスや、テキスト解析や対話、音声認識サポートをAPI経由で提供する「COTOHA API」を展開する。
導入事例も徐々に増えつつある。東京都福祉保健局では、2019年1月より始まった受動喫煙防止条例に対する都民からの問い合わせ窓口にCOTOHA Chat & FAQを活用する。
電話オペレーターの対応では人によって回答精度が異なるが、高精度なAIを搭載したCOTOHA Chat & FAQにより均一かつ正確な回答を提供できる。
海外企業と共同研究を進める神戸製鋼では、技術文書の翻訳にCOTOHA Translatorを活用する。COTOHA Translatorはニューラル機械翻訳により、約1時間かかるTOEIC900点レベルの文章も、2〜3分で翻訳できるという。
また、日本テレビではアンドロイドを使ったコミュニケーションの可能性を探るための研究が進んでおり、プロジェクトの一環で開発されたアンドロイドアナウンサー「アオイエリカ」にCOTOHA APIが採用された。
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