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国内大手企業でもAI活用に足踏み 「先駆的利用」はわずか7.6%

IDC Japanは、国内大手ユーザー企業を対象に企業のAI活用を調査を。結果を分析したところ、AIを先駆的に活用できている企業はわずか7.6%にとどまることが分かった。

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国内大手ユーザー企業、AIの先駆的導入はわずか7.6%

 IDC Japanは2020年3月3日、2019年11月に実施したAI活用の取り組みに関する成熟度調査の評価、分析結果を発表した。本調査はAIシステムを保有する国内のユーザー企業(従業員数500人以上)かつAI導入の意思決定に関わる層を対象に実施したものだ。

 IDC Japanは、AIのレコメンデーションとディレクションによる意思決定補助、拡張がデジタルトランスフォーメーション(DX)を支える重要なコアテクノロジーの一つだとしている。同社はAI活用を「ビジョン」「人材」「プロセス」「テクノロジー」「データレディネス(対応力)」の5つの特性に分類し、「ユーザー企業は各特性で段階的に知識を深める必要がある」としている。

 そこで、その成熟度を客観的に判断するための指標となるモデル「IDC MaturityScape:Artificial Intelligence 1.0」(以下、MaturityScape)を開発した。同モデルで調査結果を分析し、調査結果「IDC MaturityScape Benchmark: Artificial Intelligence in Japan, 2020」を発表した。

 調査結果は、AIの成熟度を「ステージ1:個人依存(Ad Hoc)」「ステージ2:限定的導入(Opportunistic)」「ステージ3:標準基盤化(Repeatable)」「ステージ4:定量的管理(Managed)」「ステージ5:継続的革新(Optimized)」の5つのステージで評価している。

 今回の調査では、国内ユーザー企業の85.9%が「標準基盤化」もしくはそれ以前の「限定的導入」にとどまっていることが分かった。「定量的管理」や「継続的革新」といった先駆的なAI導入、活用できている企業は7.6%と足踏みしていることも明らかになった。内訳は、7.5%が「個人依存」、37.9%が「限定的導入」、47.0%が「標準基盤化」、7.4%が「定量的管理」、0.2%が「継続的革新」という結果だ。

 IDC Japanによると、事業計画とAI導入戦略を一体化し、ビジネス価値を高める企業と追随する企業間での差が明確に表れているという。

 この結果を受けたIDC Japanの飯坂暢子氏(ソフトウェア&セキュリティグループ リサーチマネジャー)は「AIをいかに適正かつ優位に行使できるかによって、組織内外のエンゲージメントやイノベーションが加速は変化する。自社と競合企業の成熟度を比較し、ギャップを明らかにした上で、自社のAI導入戦略の再評価と改善、実行を繰り返す必要がある」と分析する。


国内Artificial Intelligence成熟度ステージ分布(出典:IDC Japan)

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