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「サーバ」シェア(2020年第1四半期)

「x86サーバ」と「メインフレーム」がマイナス成長の一方で、ARMサーバ、RISCサーバなどの「その他のサーバ」は、スーパーコンピュータ「富岳」への出荷などもあり3桁のプラス成長となった。

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 IDC Japanが発表した「2020年第1四半期(1月〜3月)の国内サーバ市場動向」によると、売上額は1401億円(前年同期から1.6%減)、出荷台数は11万9000台(前年同期から7.8%減)と前年同期比でマイナス成長となった。

スパコン「富岳」で「その他のサーバ」が3桁成長

 製品分野別でみると、x86サーバとメインフレームが前年同期比で2桁のマイナス成長、その他のサーバ(ARMサーバ、RISCサーバ、IA64サーバ、ビジネスサーバ)はスーパーコンピュータ「富岳」の出荷がけん引し、3桁のプラス成長となった。

 x86サーバは、売上額が1012億円と前年同期比11.3%減、出荷台数は前年同期比7.7%減の11万7900台となった。「Standard Server」(ベンダーが公開するカタログに掲載された標準的なマザーボードや筐体をベースとしたサーバ)の売上額は前年同期比17.4%減の847億円、出荷台数が同13.3%減の9万7800台だった。

 ITサービスやヘルスケア、流通、通信向けの大口案件などがあったものの、前年同期の流通、製造業向け大口案件の反動で、売上額、出荷台数共に2桁のマイナス成長となった。また、2019年後半(2019年第3〜4四半期)にあった「Microsoft Windows Server 2008」のサポート終了(2020年1月)に伴うサーバリプレース需要は、2020年1月にはほぼ頭打ちとなり、Standard Serverのマイナス成長の歯止めをかけるものとはならなかった。

 マザーボードや筐体が特定の顧客や用途向けに設計された「Custom Server」は、クラウドサービスベンダー向けの出荷増加に加え、ITサービス向け大口案件があり、売上額、出荷台数共に大幅なプラス成長となった。

 メインフレームは、売上額が前年同期比40.3%減の121億円となった。官公庁や金融、ITサービス向けの大型案件があったものの、前年同期にあった金融と製造、公益向け大型案件の反動で2桁のマイナス成長となった。

 その他のサーバの売上額は前年同期比235.2%増の267億円だった。官公庁や金融向けの大型案件があり、特に、理化学研究所計算科学研究センター向けの「富岳」が、その他のサーバの大幅なプラス成長をけん引するものとなった。なお「富岳」を除く、その他のサーバ売上額は、前年同期比33.5%減の53億円だった。

 COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の流行による国内サーバ市場への影響は、x86サーバは多少の影響を受けたものの、メインフレームやその他のサーバはほとんど影響がなかったとIDCでは考える。x86サーバは、サプライチェーンの断絶によるプロセッサやマザーボードなど部材の調達が困難となり、サーバの製造に影響を受けた。

 IDC Japanの下河邊 雅行氏(エンタは、ープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャー)は、「x86サーバは、Standard Serverの売上額が前年同期比で2桁の大幅減となった。データセンター用途で使用されるラックサーバの売上額が、1割強減少したことが大きな要因である」と、コメントする。

 ベンダー別市場占有率(売上額ベース)は、1位のベンダーは引き続き首位を維持したが、出荷台数でみると2位のベンダーが首位となった。


2020年第1四半期 国内サーバ市場ベンダー別シェア(出典:IDC Japan)

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