電子契約の導入が進まないのは何のせい? 実態調査から原因を探る
ペーパーロジックが発表した「電子契約」に関する実態調査の結果によると、63.3%の企業が電子契約を導入済みだった。未導入でも、その63.6%が電子契約に興味があると回答した。
ペーパーロジックは2020年12月18日、「電子契約」に関する実態調査の結果を発表した。東京都内に住み、法務や財務、経理、人事部門に所属している会社員108人を対象とした。
「電子契約に興味なし」一番のボトルネックは何か?
まず、電子契約の認知度に関する質問項目では、「電子契約を知っている」と回答した人の割合は83.3%だった。これらの人に対して、勤務先業での電子契約導入の有無を聞くと、「導入済」と回答した割合は63.3%、「未導入・把握していない」が36.7%だった(図1)。
次に、「未導入・把握していない」と回答した人に、「会社で電子契約を導入することに興味はあるか」と尋ねると、「興味はある」と回答した割合は63.6%だった。その理由としては、「業務効率化」を挙げた割合が最も高く90.5%(複数回答)。次いで「印紙税の削減」と「文書保管費用の削減」がどちらも66.7%だった(図2)。
これに対して「電子契約に興味がない」とした人は、何がボトルネックとなっているのだろうか。
電子契約に関心がない理由を尋ねた項目では、「メリットがよく理解できない」が25.1%、「導入が大変」と「運用定着が大変」がどちらも16.7%だった(図3)。
こうした結果についてペーパーロジックでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によるテレワークの日常化に伴い、2020年初頭よりも確実に電子契約の流れが進んでいることが数字の面で明らかになったとしている。電子契約をまだ導入していない企業に対しては、導入する利点を理解してもらい、導入のハードルを下げられれば、電子契約はさらに浸透すると見ている。
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