即戦力人材から「選ばれる企業」とは? コロナで第二新卒の価値観に変化
20代の仕事観や転職意識が、コロナ禍によって変化している。既卒/第二新卒は、これから成長できる企業をどのように考えているのか。
就職情報サービスサイトを運営する学情は2021年1月5日、「『成長できそう』と思う企業の特徴」に関する調査結果を発表した。同社は調査結果を基に、「コロナ禍において多くの人材が、企業の将来性についての価値観を変えた。その中でも『テレワークなど場所を選ばない働き方ができる』企業を重視する人が、最も多かった」と結論付けている。
調査期間は2020年11月13日〜12月1日、対象は同社が運営する20代専門の転職サイト「Re就活」への来訪者で、264人の有効回答を得た。同社は本調査を通じ、20代の仕事観や転職意識を調べたとしている。
ただ「テレワークできます」では選ばれない
調査はまず、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で「成長できそう」と思う企業の特徴に変化があったかどうかを聞いた。
「変化があった」と回答した割合は21.2%、「どちらかと言えば変化があった」は16.3%。それに対して「変化がない」は22.3%、「どちらかと言えば変化がない」は7.2%で、変化があったと回答した人の方が8.1ポイント多かった。
次に、変化があったと回答したグループを対象に、成長できそうと思う企業の特徴についてCOVID-19の感染拡大後に最も重視するようになった点を聞いた。すると、「テレワークなど場所を選ばない働き方ができる」と回答した割合が最も高く30.3%だった。次いで「新規事業にも挑戦している」が11.1%、「ITやデジタルなどの領域に強い」と「成長分野の事業を展開している」がどちらも9.1%だった。
自由意見には「時代の変化に柔軟に対応している企業に転職したいと思うようになった」「テレワークやWeb商談など、リモート対応の進んでいる企業は、企業としても成長力があり、社員も成長できる環境ではないかと思う」「テレワークをただ導入するだけでなく、どう運用するかが企業の成長力に影響する」といった声が上がった。学情では、単にテレワークを導入するだけでなく、それで成果を出せる環境を作り出しているかどうかに20代の転職希望者が注目していると分析している。
一方、自身の成長のために取り組んでいることや取り組みたいことでは、「資格の取得」と回答した割合が最も高く54.2%(複数回答)に上った。次いで、「ITスキルを身に付ける」が31.4%、「新聞などで経済ニュースを情報収集する」が30.3%、「Officeソフトのスキルを高める」が29.2%だった。学情では、資格取得やスキルの習得を通して自身の生産性を向上させ、市場価値を高めたいという意向が伺えるとしている。
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