「PC」シェア(2021年第1四半期)
Windows10への移行による「需要の先食い」がある中でPCの出荷台数は高い成長率を見せた。国策による特需で成長したベンダーと、特需の“波”に乗り切れなかったベンダーで明暗が別れた。
IDC Japan(以下、IDC)が発表した「日本国内におけるトラディショナルPC市場出荷実績値」によると、2021年第1四半期の国内トラディショナルPCの出荷台数は488万台だった。これは2014年第1四半期の547万台に次ぐ記録となる。トラディショナルPCとはデスクトップPCとノートPC、ワークステーションを含み、タブレット端末は含まない。
需要の「先食い」に負けず高成長、シェアトップは?
対前年同期比で見ると、2021年第1四半期の成長率は28.6%増だった。世界市場の成長率は同条件で55.9%増であるため、比較すると見劣りする。しかし日本においては2018年から2019年のWindows 10への移行による急成長があり、それが2020年以降の潜在需要を先食いしていた状況から、IDCはこの成長率を「大健闘」と見る。
IDCは「GIGAスクール構想が高校にも拡張されて公共セクターや家庭市場の需要が伸びたこと」と「新型コロナウイルス感染症対策として在宅勤務やオンライン学習向けの需要が堅調にだったこと」が市場をけん引したと分析する。
2021年第1四半期のメーカー別シェアを見ると、1位のメーカーは44.9%、2位は15.2%、3位は11.3%、4位は5.7%、5位は5.6%だった。1位のメーカーはGIGA需要を取り込んで対前年同期比54.1%増、2位は家庭向け出荷が大幅に伸びて同3.6%増、3位はGIGA向け出荷がほぼ終息して14.5%減だった。スマートフォンではトップシェアを誇る4位のメーカーは、M1チップを採用したノートPCが好調で同36.5%増となり、前期の6位から4位に上昇した。5位のメーカーはGIGA向けにノートPCの提供を開始したものの部材不足などの影響で出荷台数が伸び切らず、前年同期比1.4%減だった。
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