ノーコード/ローコード開発ツールの利用状況(2021年)後編
プログラミングのスキルがない事業部門の担当者が自らアプリケーションを開発できるとして注目が集まるノーコード/ローコード開発ツールだが、企業ではどのようなシーンで活用されているのだろうか。開発作業者の「所属部門」や「コーディングスキルのレベル」「開発スキルの教育・習得方法」「開発しているアプリケーション」「パッケージ製品とのすみ分け方法」などを調査した。
キーマンズネットは2021年8月20日〜9月3日にわたり「ノーコード/ローコード開発ツールの利用状況」に関するアンケートを実施した。
その調査結果を基に、前編ではノーコード/ローコード開発ツールの導入率や導入目的を明らかにした。ノーコード/ローコード開発ツールを「導入している」「導入を検討中」「興味がある」とした回答者は全体の約6割を占め注目度の高さがうかがえた一方で、「ただのブラックボックス作成機ではないか」といった厳しい意見も寄せられ、その評価が分かれていることが分かった。
後編となる本稿は、ノーコード/ローコード開発ツールの利用状況や導入検討時の選定ポイント、今後期待する効果などを明らかにする。開発作業者の「所属部門」や「コーディングスキルのレベル」「開発スキルの教育・習得方法」「開発しているアプリケーション」「パッケージ製品とのすみ分け方法」などが主な内容だ。
なお、本稿で取り扱うノーコード/ローコード開発ツールは、ドラッグ&ドロップなどのGUI操作によって、コーディング作業なしに(あるいはわずかなコーディング作業で)アプリケーションのUIデザインから開発、テスト、デプロイ、実行、管理などを実現するものを指す。
開発作業者の所属部門やコーディングスキルのレベルは?
ノーコード/ローコード開発ツールについて「導入している」「導入を検討中」とした回答者を対象に、ツールを利用する開発作業者の所属部門を聞いたところ「事業部門の業務担当者」(55.7%)と「情報システム部門」(50.0%)が上位に挙がった(図1)。
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