2022年もテレワークを続ける? 企業の意識調査、2年目もアレが課題
テレワーク導入後の変化に関する調査結果によると、現在も出社率が50%未満の企業が大半を占めるようだ。今後の継続可否について企業はどう考えているのだろうか。
エンワールド・ジャパンは2021年12月15日、国内の外資系企業と日系企業230社(回答者所属企業:外資系企業社員43%、日系企業56%)を対象に実施したテレワーク導入後の変化に関する調査結果を発表した。本調査は、2021年11月11日〜18日に実施したものだ。
現在のテレワークの導入状況は、外資系と日系企業ともに同じ傾向が見られた。テレワークを新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行前から導入していた企業の割合は全体の33%、流行後に導入した企業は同60%だった。
現在の従業員の出社率は、外資系企業の方が低かった。出社率30%未満の企業の割合は、外資系が6割強、日系が約4割。出社率50%未満では、外資系が約8割、日系が約6割だった。全体では、出社率10〜30%の企業が最も多く27%、全社員がフルリモートと回答した企業は3%だった。
今後もテレワークを続けるか? 依然解決しないテレワーク課題とは
テレワークは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進や従業員の余暇時間の増加など、副産物的要素が従業員や組織にとっての利点になったようだ。テレワークの導入によって従業員や組織に起きた良い変化として、「社内システムやワークフローのIT化が進んだ」ことを挙げた企業の割合が最も高く59%(複数回答)。次いで、「余暇時間が増え、従業員の私生活の充実度が上がった」が50%だった。これらの傾向は、外資系と日系企業の間に大差はなかった。
一方、テレワークによる課題もある。課題として最も多く挙がった回答が「仕事以外のコミュニティーが減った」(62%、複数回答)。次いで「社内コミュニケーションや情報共有が減り、連携が難しくなった」(55%)。
その他の自由意見としては、「社長の意向でテレワークの回数が減らされ、従業員の不満が出た」や「若手の指導はオフィスに出勤の方がやり易い」「会社側がテレワークメインの勤務にいまだにちゅうちょしている」などが挙がった。従業員コミュニケーションの課題は、テレワークシフトが始まった当初から大きな課題として各所で取り上げられている。コロナ禍を契機にテレワークを始めた企業にとっては、2021年はテレワーク2年目の年となるが、依然として抱える課題は変わらないようだ。
また、従業員のエンゲージメントや帰属意識について「感じている」と回答した企業の割合は、外資系が60%、日系が63%。その原因はコミュニケーションにあると考える企業が多く、従業員のエンゲージメントや帰属意識を高めるために実施したことでは、「上司と部下の1 on 1コミュニケーションを増やした」と回答した割合が全体の39%で最も高かった。
こうした中、多くの企業がテレワークを今後も恒常的な制度として継続しようとしている。テレワークを「継続予定」だとした企業の割合は、外資系が79%、日系が83%だった。
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