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悪意のあるファイルが1日平均38万件……2021年のサイバー脅威レポート

2020年11月〜2021年10月にカスペルスキー製品が検知した新規の悪意のあるファイルの1日当たり件数は、対前年同期比5.7%増の38万600件となった。テレワークで業務の場がオンラインに移行し、攻撃対象領域が拡大しているという。

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検知した攻撃の9割はWindowsの実行ファイル形式

 カスペルスキーは2022年1月11日、2021年の主要なサイバー脅威の数字についてまとめた年次レポート「Kaspersky Security Bulletin 2021. Statistics」を発行した。

 今回のレポートの集計期間は、2020年11月〜2021年10月までの12カ月間だ。この間にカスペルスキー製品が検知した新規の悪意のあるファイルの1日当たり件数は、対前年同期比5.7%増の38万600件となった。その内、91%はWindowsの実行ファイル形式だった。

 同社によると、テレワークの導入が進みオンラインでの活動が多くなったことや、業務をオンライン化によって使用される機器の数が増えて攻撃対象領域が広くなったことが増加要因だという。

1日当たり2万件増加、最も“暗躍”した脅威は?

 インターネットを利用しているユーザーのうち、マルウェアの攻撃を受けた人の割合は、前年の10.2%に対して15.5%と増加した。カスペルスキー製品が検知・ブロックした攻撃は、1年間で6億8786万件で、前年の6億6680万件から3.2%増えた。IPアドレスから攻撃元と推定された上位3カ国は、チェコ(30.9%)、米国(24.9%)、ドイツ(9.4%)だった。

 さらに、スクリプトやエクスプロイト(脆弱性利用型不正プログラム)、実行ファイルなど、Webアンチウイルスコンポーネントが検知した悪意のあるオブジェクトのユニーク数は、対前年同期比1.9倍の6455万件となった。

 一方、Webアンチウイルスコンポーネントが検知した悪意のあるURLのユニーク数は、同34%減の1億1452万件だった。

 Kasperskyでセキュリティエキスパートを務めるデニス・スタフォーキン(Denis Staforkin)氏は、「2021年に当社が検知した悪意のあるファイルの数は、前年比で1日当たり約2万件増加した。世界中でリモートワークの導入が進みオンラインでの活動が多いため、これは予想外の展開ではない。業務をオンラインに移行するという大きな流れが発生したことで、世界中で使用される機器の数も増えた。そのために攻撃対象領域が広くなり、結果として機器が脅威にさらされる頻度が増えた。デジタルリテラシーを強化し、セキュリティソリューションを最新の状態に保つことが極めて重要だ」と述べている。

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