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電子保存義務「2年宥恕(ゆうじょ)」発表 企業の“リアル”な対応状況が明らかに

2021年12月10日、「令和4年度税制改正大綱」が発表され改正電帳法における電子保存の義務化に2年の宥恕措置が盛り込まれた。発表後の経理担当者947人のアンケート結果から、企業の電子帳簿保存法の対応状況が明らかになった。

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 2022年1月に改正法が施行された電子帳簿保存法。2021年12月10日に「令和4年度税制改正大綱」が発表され、改正電帳法における電子保存の義務化について2年の宥恕(ゆうじょ)措置が盛り込まれた。

 クラウド型経費精算システム「楽楽精算」を提供するラクスが実施した、全国の経理担当者947人を対象に電子帳簿保存法に関する意識調査(調査期間:2021年12月16〜21日)から、企業の“リアル”な対応状況が明らかになった。

「電帳法対応を進めていた」企業の約4割が準備を延期

 2022年1月に施行された電子帳簿保存法における「電子取引の電子保存義務化に2年宥恕」の発表を受け、2022年1月に向けて電子帳簿保存法対応の準備を進めていた企業の36.1%が「準備を延期した」ことが分かった。


図1 「電子保存義務に2年宥恕」の発表を受けた会社の対応(出典:ラクスのリリース)

施行直前の対応状況は?

 以降、2021年12月の電子帳簿保存法施行時の企業の運用や、2022年1月以降の電子請求書保存の対応状況を見ていく。

 電子帳簿保存法への対応状況について、「電子帳簿保存法を知らない」と回答した割合は15.2%のみだ。全体の8割以上が電帳法を認知しているにもかかわらず、実際に対応できている企業は16.4%にとどまる結果となった。

 「電子帳簿保存法に則した運用の導入を検討している」とした人は33.8%、「いずれは電子帳簿保存法に則した運用を検討したい」は23.9%と、電子帳簿保存法に則した運用を検討している企業は一定数あるものの、実際に運用できている企業はごくわずかとなっている。


図2 電子帳簿保存法への対応状況(出典:ラクスのリリース)

アンケート結果から分かる企業の混乱状況

 2022年1月以降に受け取った電子請求書の保存方法について、電子帳簿保存法に対応可能なシステムを使用して電子保存を行うと回答したのは、「既にシステムを導入済み」の11.7%と「今後導入予定」の20.8%を合わせた計32.5%だった。

 一方で、「対応方法が未定」が18.6%、「わからない」が15.6%と回答。計34.2%は対応方法が明確ではなく、企業側の混乱状況は依然として続いている。


図3 受け取った電子請求書への対応方法(出典:ラクスのリリース)

 電子保存については2年の宥恕期間ができたものの、義務化されることは変わらない。電子帳簿保存法の対応は必須で、2023年10月にはインボイス制度の開始も迫っている。

 ペーパーレス化による業務効率化を実現するためにも、引き続き改正内容の理解を深めると共に、電子帳簿保存法対応のシステム導入や社内ルールおよび体制の整備が企業に求められる。

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