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結局ただの便利屋扱い……調査で分かった情シスの本音

メタップスは従業員数50〜500人の中小企業の情報システム部員507人に、「情シスの本音」調査を実施した。調査の結果から、企業のIT投資や評価制度、周囲のIT理解などに対する、普段は聞けない情シスの不満が明らかになった。

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 情報システム部員から「経営層はITへの理解が少ない」「会社から適切な評価を受けられない」といった不満の声は聞こえるが、実際のところはどうだろうか。

 メタップスは、従業員数50〜500人の中小企業の情報システム部員507人に「情シスの本音」調査を実施した。調査結果から、情報システム部門の“悲痛な嘆き”が浮かび上がる。

IT投資状況や周囲との相談環境から分かる、孤独な闘い

 最初に、「必要なIT投資を十分に受けているか」(Q1)と質問したところ、「あまりそう感じない」と回答した人が38.5%、「全くそう感じない」の人が9.2%という結果となった。


図1 必要なIT投資をどの程度受けられているか(出典:メタップスのリリース)

 「経営者に自社のITについて相談や提案ができる環境があるか」(Q2)と質問したところ、「ほとんどない」と回答した人が11.5%、「あまりない」の人が31.2%となった。


図2 ITに関する相談や提案をできる環境があるか(出典:メタップスのリリース)

 Q1とQ2の結果から、多くの情報システム部員がIT投資の内容に満足していないにもかかわらず、その相談をできる相手がいないことが分かる。

 以降では、評価制度や経営者に対する情シスの抱える不満も明らかになる。

情シスの評価制度や経営者への本音とは?

 「情報システム担当者が適切な評価を受けていると感じますか」(Q3)と質問したところ、「あまりそう感じない」と回答した人が35.9%、「ほとんどそう感じない」の人が10.4%という結果となった。


図3 適切な評価を受けられているか(出典:メタップスのリリース)

 「経営者が自社ITについて十分に理解してくれていると思いますか」(Q4)と質問したところ、「全くそう思わない」と回答した人が7.8%、「あまりそう思わない」とした人が28.0%となり、周囲の自社システムへの理解が乏しい状況が分かる。


図4 必要なIT投資をどの程度受けられているか(出典:メタップスのリリース)

経営者が理解してくれないと感じる理由

 Q4の調査項目で「全くそう思わない」「あまりそう思わない」と回答した人に「どのような場面で経営者が自社ITについて理解してくれていないと感じているか」(Q5)と質問した。

 回答の内訳は、「ITに関する“便利屋”として使われてる感覚がある」が52.5%、「自社ITについて説明しても理解されない」が38.1%、「自社にITの課題があるが、経営者が予算をおろしてくれない」が31.5%となった。


図5 必要なIT投資をどの程度受けられているか(出典:メタップスのリリース)

 Q4で「全くそう思わない」「あまりそう思わない」と回答した人に、Q5で回答した以外に、「経営者が自社ITについて理解してくれていないと感じる場面は」(自由回答)と質問した。

 「利益のみ追及し、新技術などへの投資をしない」や「突然人員を減らされ、その後の人員補充も無い」など78の回答があった。以下、一部を抜粋して紹介する。

<自由回答の一部を抜粋>

  • 55歳:利益のみを追及し、新技術などへの投資をしない
  • 43歳:突然人員を減らされ、その後の人員補充も無い
  • 43歳:つぎはぎのシステムなので、社員がどこか修正した際に、他への影響が想定できていない
  • 43歳:ITに関連する作業で残業が発生しても理解されない
  • 32歳:障害が発生しても、担当者のせいにされシステム側への投資はない
  • 44歳:コスト、スケジュール、品質の3要素は相関関係があるにもかかわらず、全てに置いて、ベストを求めてくる
  • 44歳:経営層がいまだに紙での管理を推し進めている
  • 26歳:専門知識に関する価値が評価されず、人材教育に関する投資が極端に少ない
  • 56歳:経営者のITリテラシー不足により、本題以外の説明に時間がかかる
  • 58歳:必要な機材を提案しても安価な物にするように必ず指示され、結果性能が悪くなり、何とかするよう無理な課題を更に与えられる
  • 47歳:対応が場当たり的、局所的に感じる

 今回の調査では、多くの情報システム担当者が、経営者から適切な評価を受けられていないことや、ITに関する理解を得られていないことに不満を抱えていることが明らかとなった。経営者のIT理解不足により、自社のIT課題についての検討や投資も後回しにされ、意見を伝えられなくなっている人も多いようだ。

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