SaaS導入は“万能薬”ではない 利用者のリアルな本音とは
「SaaS導入についてのアンケート」の結果を見ると、SaaSの導入によってデータ管理などの課題を解決できた半面、類似サービスが多くて違いが分かりにくいといった悩みを抱えており、人材不足が運用の課題になっていることが分かった。
マーケティング効率化ツールを提供するFLUXは2022年2月21日、企業のデジタルマーケティング担当者を対象に実施した「SaaS導入についてのアンケート」の結果を発表した。それによると、SaaS(Software as a Service)の導入によってデータ管理や人的ミスなどの課題を解決できた半面、類似サービスが多くて違いが分かりにくいといった悩みを抱えていることが分かった。
SaaS導入は万能薬ではない 導入、運用それぞれの悩みとは
SaaSの導入前に抱えていた課題を複数回答で聞いた項目では、「業務量が多く手が回っていない」と回答した人の割合が66%で最も高かった。次いで、「データ活用ができていない」(57%)などが続いた。
SaaS利用者の多くは、こうした課題をSaaSの導入によって解決できているようだ。具体的には、SaaSの導入によって課題を「とても解決できた」と回答した人の割合は24%、「やや解決できた」は41%。これを合算して考えると「課題を解決できた」とした割合は6割に上る。
一方、SaaSの導入では課題を解決できなかった理由としては、「ITリテラシーが低い人が多く、うまくいかない」「活用度に個人差がある」といった声が上がった。具体的にSaaS導入で解決できた課題の例は以下の通りだ。
SaaS導入で解決できた課題の一部抜粋(プレスリリースより引用)
- ヒューマンエラーの減少により業務効率が格段に良くなった
- 作業効率があがった
- データの管理が容易になった
- 費用対効果を改善させることができた
- サービスに合わせて業務改善もしたため。現場入力にしたので、スタッフの工数が減った
- インターネット環境があればどこからでもアクセスできたり、複数の人数で編集や管理ができるようになったので仕事がはかどる
SaaSの導入を検討するに当たっての悩み(複数回答)では、「類似サービスが多く、違いが分かりにくい」と答えた人の割合が43%で最も高く、「やりたいことに対して金額が適正かが分からない」が41%、「複数社から話を聞くのに時間がかかる」が38%と続いた。また、SaaS導入に工数がかかり、通常業務が圧迫された経験がある人は、ほぼ半数の49%だった。導入にかかった日数では、1カ月以上が50%。そのうち、3カ月以上かかったと回答した割合は全体の28%だった。
SaaSの運用では、スキルやリテラシー不足が課題のようだ。SaaS運用の課題(複数回答)として、「運用できるスキルやリテラシーがある人材がいない」を挙げた人の割合は56%、「運用する人員が不足している」は45%、「設定に時間がかかりすぐに成果が出ない」は30%だった。また、不満としては、「運用支援やカスタマーサポートの対応が不十分」(36%)や「操作性が悪い」(33%)などが挙がった。
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