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「従業員を辞めさせない」が仕事の人事部、7割が会社を辞めたい現実

日々の仕事に追われる従業員が「燃え尽き症候群」に陥るという話をしばしば聞く。その傾向は、組織の人員を支援する人事部にもあるようだ。“病む人事担当者”がそこから脱するカギとなるのは何か。

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HR Dive

 職場向けの匿名通報サービスを提供するAllVoicesが実施した調査(2022年2月)によれば(注1)、人事リーダーの約半数が「燃え尽きた」と回答し、ほぼ同数が「新しい仕事を探している」と回答した。「燃え尽きた」と回答した担当者の72%が求職活動中であることが示され、この2つの調査結果の間には関連性があることが明らかになった。

 人事担当者は、最も困難な職務は冗長の要求を管理または実行することだと語る。回答者は、おおむね「上長からサポートを受けている」と回答したが、目的や目標については食い違いがあるとAllVoicesはみている。

 回答者は、「自分が組織に影響を与えることと、従業員にポジティブな影響を与えることに最もやりがいを感じる」としている。また報告書によれば、「人事担当者は従業員が成長し、最良の仕事をし、エンゲージメントを維持することを期待しており、それに向けて行動するのが使命だと考えている」という。

従業員を支援する裏で病む人事部

 従業員の燃え尽き症候群(バーンアウト)に関する報告が続いているが、人事担当者もその影響を受けているようだ。

 その要因は幾つかある。「HR Dive 2021 Identity of HR Survey」(2021年人事アイデンティティー調査)(注2)では、回答者の約半数が「人事業務以外の職務を定期的に行っている」と回答した。ある情報筋は「それには戦略的ビジネスパートナーに関連する業務が含まれる傾向がある」と2021年にHR Diveに語った(注3)。業界のプロは、幅広いビジネス計画で他部門を支援することが増えているという。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックで、人事の仕事も急激に増えた。ある業界専門家は2021年11月のHR Diveのインタビュー(注4)で「パンデミック中に発生したほぼ全ての問題は、人事に関係するものだった」と語る。多くの雇用主にとって、人事は企業の「ハブ」であり、業界のプロは「英雄的」な仕事を期待されていると関係者は述べる。

 燃え尽き症候群に対処する方法は幾つかある。例えば、日常業務をアウトソーシングして、より戦略的な業務に専念する人も多い(注5)。しかし、AllVoiceの調査結果によれば、この業界に身を置く人々にとって仕事の満足度を高める最大のカギは「目的意識」だという。自分の役割が組織のミッションにどう貢献しているかを理解することは、どの従業員にとっても重要であることが調査で明らかになった(注6)。人事担当者も同様に、自分の努力が組織と従業員の双方に与える影響を知ることで、ベネフィットが得られるのはもちろんのことだ。

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