没入型ワークスペースとは? バーチャルオフィスとの違い、メタバースとの関係を解説
没入技術を活用した業務環境。効率化やアイデアの創出、従業員エンゲージメント向上に期待がもたれる。
- 没入型ワークスペースの仕組みと注目の背景
- 没入型ワークスペースできる事
- 関連用語
没入型ワークスペースとは、360°投影やジェスチャー制御、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)といったデジタル技術を活用した業務環境だ。テレワークの課題である帰属意識や従業員エンゲージメントの低下の予防が期待される。2021年11月にガートナーが発表した「日本におけるユーザー・エクスペリエンスのハイプ・サイクル」で「黎明期」に位置付けられ、今後の発展が期待される。
没入型ワークスペースの仕組みと注目の背景
没入型ワークスペースは、膨大なデータを活用してデジタル業務環境を構築するものだ。その中で従来のデバイスでは不可能だった大量のデータを扱って業務効率の向上を図ったり、新しいビジネスへの利活用に取り組んだりできるようになる。
没入型ワークスペースが注目される背景には、3Dモデリングや投影、合成といったVR技術の発展と共にコロナ禍による働き方の変化がある。常態的なテレワークによる帰属意識の低下や従業員エンゲージメントの悪化が課題となり、リモート環境においても質の高いコミュニケーションが求められるようになった。それらに対してカナダのIglooやE-SPIN Groupが先行ソリューションを提供する他、Microsoftの「Mesh for Microsoft Teams」やMeta(旧Facebook)の「Horizon workspace」などが同様のユーザー体験の提供を明言している。
没入型ワークスペースできる事
没入型ワークスペースは、例えば「新製品のホログラムをチームメンバーで囲み、関連したデータを周囲に投影しながらさまざまな角度から意見交換やしつつデータを編集できる」といった環境を提供する。チームメンバーが共有する情報の質と量を向上することで、より正確な議論や意思決定が可能になる。
VRを活用したワークスペースで場所を選ばず業務しつつ、集中できる環境や従業員同士のコミュニケーションが可能だ。例えばアバターを介して会話することで、チャットツールやWeb会議よりも非言語コミュニケーションがとれると期待される。
関連用語
テレワークを支援するデジタルソリューションは多種多様なものが提供されている。下記に類似するサービスとの違いや関連する用語を解説する。
デジタルワークスペース
ユーザーの場所やデバイスに依存しない業務環境を提供するツール全般を指す。自宅などのリアルなワークスペースにセキュリティを確保したデジタル環境を提供してセキュアな接続やゼロトラストモデルの採用の他、従業員同士のコミュニケーションの質を向上させるアプリなどを提供する。
仮想オフィス
仮想オフィスはオフィスを模した仮想空間のマップに従業員のアイコンやアバターが配置されることサービスで「出勤中」や「休憩中」「ミーティング中」など、執務ステータスを明示することで従業員コミュニケーションを円滑化するツールだ。Web会議やファイル共有などビジネスに必要な機能との連携が可能なものも多い。
Web会議ツール
Web会議ツールは画面共有と音声通話によるコミュニケーションを提供する。対面での対話の代替策としてコロナ禍以降普及したが、カメラ映像と音声以外のビジネスに必要な情報の共有や、対面と非対面が混じったハイブリッド会議におけるコミュニケーションに課題があり、メタバースや仮想オフィス、デジタルワークスペースの需要につながった。
メタバース
デジタル上の仮想空間やそれを構築する技術を指し、没入型デジタルワークスペースに必要な機能を多く有する。今後は企業向け、コンシューマー向けにさまざまなサービスの展開が期待されている。例えばメタバースを活用した没入型ワークスペースは「VR機器とアバターを介して仮想空間に構築されたオフィスやミーティングスペースに出勤する」といった利用が期待できる。
バーチャルオフィス
仮想空間上に構築されたオフィス全般を指す。VR機器を介して参加する没入型タイプだけでなく、PCやスマホなどの従来のインタフェースを介してアクセスするタイプも含む。
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