ハイブリッドワークやリモートワークの時代、雇用主は従業員をいつ、どのように評価するか再考する必要がある。
Googleが年2回の人事考課を廃止、どう変わるのか?
年に1〜2回、過去の業績を精査し個々の従業員を評価会議にかけるという従来の評価プロセス(人事考課)は非常にコストが高い。関係者がHR Diveに語ったところによると、「会社全体で数千時間に及ぶ時間的コストを要することもあり、プロセスを完全に再設計する企業もある」という。
そんな中、テクノロジー大手企業のGoogleが、「これまで年2回実施していたパフォーマンス評価を廃止する」と発表した。今後、どのように変化するのだろうか。
Googleは、過去の業績を基に報酬や昇給を決定するパフォーマンス評価システムの廃止後、より定期的な「Check-in」とフィードバックによる評価システムに切り替えると発表した。「Check-in」とは、マネジャーと部下が面談を重ねて、フィードバックし合う仕組みを指す。同社は評価制度の廃止に対する懸念も考慮し、従来の評価プロセスを“完全に”廃止するわけではないという。
同社のブログによると、少なくとも年に1回実施する「Check-in」は、従業員の過去のパフォーマンスではなく学習と(能力)開発に焦点を当てるという。昇進は年に2回、従業員の評価は年に1回実施される。
Googleはこの方針変更について「従業員からのフィードバックに加え、調査や業界のベストプラクティス、公平性と一貫性を保つためのプロセスの設計方法について学んだ知見を全て盛り込んだものだ」とする。
同社のブログでは、新たな評価プロセスについて、従業員の能力開発に重点を置くと述べる。この施策は、管理職を直属の上司としてコーチ役にする従来の「パフォーマンスマネジメント」とは異なる。調査では、従業員のキャリアパスのために選任されたマネジャーが、より幸福な従業員を育てるという傾向が示されたが、現行プロセスのマネジャーはその役割を果たせていない。
米国のフェニックス大学(University of Phoenix)の人材管理担当バイスプレジデントであるジェフ・アンデス氏は、HR Diveへの寄稿の中で、「雇用主は評価プロセスを反省のためだけに使うのではなく、従業員の道を切り開く機会として利用すべきだ」と述べた。
専門家は、この新たな評価モデルを成功させるために、雇用主が管理職研修プログラムに投資し、管理職がそのプログラムを利用できるような時間と場所を提供するよう推奨する。
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