オンライン会議に用いる「Zoom」と併せて利用可能な新しいコラボレーションツールをZoom Video Communicationsが複数投入する。2022年11月8〜9日(現地時間)に米国で開催した「Zoomtopia 2022」で発表した内容だ。
これらのツールには、どのような利点があるのだろうか。
Zoomがグループウェアになる?
コラボレーションツールとして追加するのは、「Zoom Mail Client」と「Zoom Calendar Client」だ。いずれも2022年11月8日にβ版として提供が開始された。
これらのツールの利点は、既存のZoomサービスにサードパーティーのメールサービスとカレンダーサービスを統合することだ。Harvard Business Review誌の調査を引き合いに出して、生産性向上が望めるとした。この調査によれば、ユーザーはアプリケーション間の切り替えのために、1週間当たり4時間近くを費やしているという。
「Zoom Meetings」や「Zoom Phone」「Zoom Whiteboard」「Zoom Team Chat」と新サービスを組み合わせて使うことで、ほとんどのコラボレーションをZoom内で完結できる。なお、Zoom Whiteboardとの共有が可能になるのは、2023年初頭だという。
中小企業向けのサービスもある
IT部門を持たない中小企業(SMB)向けには、Zoomがホストする「Zoom Mail Service」と「Zoom Calendar Service」のβ版の提供を近日中に開始する予定だ。「Zoom One Proプラン」や「Zoom Standard Proプラン」を利用している場合、これらのサービスを通じて、追加費用なく、Zoomがホストするメールアカウントを設定できる。当初は米国とカナダでサービスを提供する。
これらサービスではエンドツーエンド暗号化(E2EE)を提供する。つまり、サイバーセキュリティの向上に役立つ。アクティブなユーザー間で直接送信される電子メールと併せて、外部受信者のためのアクセス制限リンクが付いた電子メールに暗号化を適用する。
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