ITソリューションを提供するUnisysが2023年3月7日(現地時間)に発表したレポートによると、回答者のうち約49%がIT関連の問題への対処に週1〜5時間を消費しているという(注1)。約62%は「高度なテクノロジーの利用」が仕事のモチベーションを高めると回答しており、企業におけるユーザー目線でのIT環境の構築が課題になりそうだ。
従業員も納得のIT環境とは
では、企業がIT環境の構築時に留意すべきことは何か。鍵は「世代の違い」「ハイブリッドワーク」「意思決定権」だと専門家は語る。
Unisysのジョエル・レイパー氏(デジタルワークプレースソリューション担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャー)は次のように述べる(注2)。
「企業のIT環境と従業員エンゲージメントの融合は、これまで以上に重要な課題となっている。企業は未来の職場を作るためにどのように投資し、どのように従業員の幸福度を高めるかを考えなければならない」(レイパー氏)
従業員はITに関する継続的なサポートを求めており、約92%が「今後起こるであろう課題に先回りしてサポートしてくれるのであれば、自分のデータを共有することに前向きだ」と回答した。
雇用主は世代間の違いにも留意すべきであることが同レポートで明らかになった。ミレニアル世代の従業員は、Z世代の従業員と比較して、チャットbotやウェアラブルデバイス、仮想ホワイトボードに高い価値を置いている。
雇用主はハイブリッドワークやフレキシブルワークモデルなど、職場の方針においてテクノロジーがどのような役割を果たすかを検討する必要がある。約70%の雇用主が「ハイブリッドワークを主要な働き方として継続する」と回答し、ハイブリッドワーカーの約67%が、ワークライフバランスも考慮して「勤務場所の柔軟性」が仕事のパフォーマンスを上げる主な要因だと答えた。
企業がパンデミック時の体制から移行する時、雇用主はハイブリッドワークを自社に最適化し、人材の獲得と維持、新しいメンバーの育成とオンボード、新しいリーダーの創出、そして従業員エンゲージメントと生産性の最大化を図る必要があると同レポートに記されている。そのためには、ワークプレーステクノロジーの活用が重要だ。
従業員の権限強化も重要だ。調査では、約70%の従業員が「意思決定権」がモチベーションの重要な要素だと回答したのに対し、権限の強化を重要な要素として挙げた管理職は57%だった。
従業員体験を向上するためのプログラムが充実している企業では、従業員のエンゲージメントが6カ月前より高まっていることも明らかになった。従業員と雇用主の60%以上が、こういったプログラムが従業員の生産性や人材のリテンション、収益性などに大きく影響していると回答した。
これらの結果を踏まえ、レイパー氏は以下のように述べる。
「このレポートは、当社のクライアントがハイブリッドファーストの考え方に適応し、長期的な従業員満足度と生産性を向上させる組織改革に着手していることを裏付けている」(レイパー氏)
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