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デキるリクルーターはTikTokをこう使う

若者を採用するには、「TikTok」が効果的かもしれない。求職者を引きつける活用法とは。

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HR Dive

 「TikTok」のデータプライバシーに関する懸念が話題になっているが、ユーザーは依然多い。月間アクティブユーザー数は10億人を超え、米国では特に18歳以上のユーザーにリーチしているとされる(注1)。

 これはTikTokを利用するリクルーターにも朗報だ。求人広告代理店のBayard Advertisingのアレクサンドラ・アネマ氏(ソーシャルメディア担当ディレクター)は、「適切な職種であれば、TikTokでしっかりとキャンペーンを行うことで求職者に興味を持ってもらえるだろう」と述べる。大企業から、知名度を上げたい中小企業まで、あらゆる企業が採用活動にTikTokを利用していると同氏は付け加える。

TikTokでの採用活動、気を付けるべきポイントとは?

 TikTok活用の鍵は、適切な職種に対して適切なキャンペーンを行うことだ。リクルーターは、TikTokの有料プロモーションプラットフォームの制約の中で仕事をしなければならないことがほとんどで、他のプラットフォームより制約が多いこともある。具体的には、どのようなことを念頭に置くべきなのだろうか。

アルゴリズムに最適化してユーザーを集める

 多くのSNSと同様、TikTokでは通常の投稿、または有料プロモーションでユーザーを集められる。通常の投稿が効果的な場合もあるが、「アルゴリズムに最適化するため、定期的に投稿する必要がある」とアネマ氏は言う。TikTokで成功を収める中小企業は動画の作成に労力を費やすことが多いが、「全ての企業にそのような時間があるわけではない」と同氏は指摘する。

 人材紹介企業Crawford Thomas Recruitingの共同設立者兼プレジデントであるウィリアム・ストーンハウス氏は、TikTokのアルゴリズムに対応するための戦略として、インフルエンサーとの提携を挙げる。「企業の雰囲気を宣伝してくれるインフルエンサーと協力することで、効率良くユーザーにリーチできる」と同氏は述べる。

 既にTikTokのフォロワーを持つ従業員と協力することもできる。エミリー・ダーラム氏は20万人以上のフォロワーを持つTikTokのクリエイターだが、偶然にも金融系のソフトウェア企業Intuitのシニアリクルーターでもある。同氏は、デートのアドバイスから就職面接の情報まであらゆる種類の動画を投稿しており、Intuitで働くことに関するコンテンツをプッシュしているわけではないが、同氏の存在が会社の知名度を高めている(注2)。

 「ソーシャルプレゼンスを持つことは、仕事におけるゲームチェンジャーになった」とダーラム氏は語る(注3)。

 「私がリーチした候補者の約半数は、『あら、TikTokであなたをフォローしているわ』と反応してくれる。特にキャリアの浅い人材や、Intuitの他の人事職を募集しているときにこのような反応がある」(ダーラム氏)

有料プロモーションを最大限に活用する

 「有料プロモーションの場合、TikTokではターゲットの関心事を1つしか選べない」とアネマ氏は指摘する。例えば、獣医師を雇いたいと思っている場合、『動物』か『獣医師』のどちらかしか選べないという。

 だからといって、有料のプロモーションがうまくいかないわけではない。特にエントリーレベル職の採用では注目を集め、採用プロセスに誘導するためには効果的だ。

 Bayard Advertisingは現在、あるファストフードチェーンと協力して、その会社で働く様子を紹介する短いビデオを制作している。このビデオで「メッセージを発信し、組織として競合他社とは違うことを話している」とアネマ氏は言う。企業の教育プログラムが従業員にどのような影響を与えたかを紹介するビデオも制作中だ。

 他のSNSと同様に、各企業にとって何が有効かは、誰をどのような職種で採用しようとしているかによって異なる。「ファストフードのキャンペーンは非常に効果的だったが、経営層のスカウトでは同じアプローチは通用しないかもしれない」と同氏は述べる。

 TikTokは「ソーシャルメディア戦略の強力な補助になり得るが、1つのツールだけをあてにするのはやめるべきだ」と同氏は付け加えた。

 「どこにお金をかけたいのか、どこにオーディエンスが時間を使っているのかを検証する必要がある」(アネマ氏)

 特に、Z世代の求職者はTikTokを含め、ブランドのSNSをリサーチしていることを企業は認識する必要がある。企業文化に関するTikTokの動画があることは、企業にとって有益だ。事務職を募集する際に、候補者はその職場の1日の生活を紹介する動画を探すかもしれない。このような動画は、「企業にとって自社の文化や価値観をアピールする良い方法になり得る」とアネマ氏は強調した。

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