TISグループ会社、販売管理業務のコスト3割削減を見込む その方法とは?
TISグループ会社であるAJSの販売管理業務では、個別最適の積み重ねによる非効率な業務が生じていた。業務プロセスの継続的な可視化と改善のために選んだ方法とは。
AJSは2023年5月10日、業務プロセスの可視化やプロセスマイニングを開始したと発表した。AJSは旭化成グループの情報システム会社として1987年に設立され、現在はTISインテックグループの一員として、さまざまな産業分野で企業のシステム開発や保守、運用に携わっている。
AJSの販売管理業務は、長年の業務改善の蓄積によりグループ内でも高い品質を維持していた。しかし、個別最適の積み重ねにより、事業部や部門ごとに異なるツールやデータ項目を使用していた。また、標準となる業務フローが確立されておらず、過剰な情報伝達やチェック作業の重複といった非効率な業務が生じていた。
そこで同社の総務部門は、業務プロセスの継続的な改善を支援するソリューション「SAP Signavio」を採用した。As-IsとTo-Beのプロセスフローを「SAP Signavio Process Manager」で整理、可視化し、標準化した業務フローの導入効果を試算した。その結果、約30%のコスト削減が見込まれたため、共通システムと標準プロセスの構築を推進し、2023年初旬に運用を開始した。
この取り組みは、共通システム導入による一度の改善で終わらず、運用状況をシステムログとして蓄積してプロセスマイニングを行い、継続的な業務改善を推進する。
AJSは「引き続き部門の違いなどによる運用状況の傾向を分析し、将来的には業務プロセスに関する標準値を設定して、良好な運用を実現した部門の取り組みを横展開するなどの継続的な取組みを計画する」とした。
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