検索
コラム

情シス以外の「ちょっとした行動」で情シスの負荷を減らすには編集部コラム

情シスを圧迫する細々とした業務は多く存在しています。そこで、情シス以外の方の「ちょっとした行動」で情シスの負荷を軽減できる方法を紹介します。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena

 情シスは目に見える大きな業務を抱えていなくても、なんだか忙しそうにしているものです。その理由は、情シスを圧迫する細々とした業務にあります。一つ一つは負荷が軽いためつい手癖で処理しがちですし、負荷が軽い業務にしては改善に工数がかかることも多く、結局なあなあで対応しがちです。

 そういった業務は、情シス以外の方たちが意識して行動することで簡単に減らせます。本コラムでは、情シスから一般従業員になった筆者が気付いた、情シス以外の方の「ちょっとした行動」で情シスの負荷を軽減する方法を紹介します。

調べれば解決する問合せをしない

 情シスの業務を一番圧迫するのは「調べれば解決するレベルの問い合わせ」への対応でしょう。

 筆者が情シスのころも問い合わせは多かったです。ただ、問い合わせに対するQ&Aが不足していたり、分かりづらかったりしていたという反省があり、情シス側の責任もあったと思います。

 そんな中、コロナ禍によってテレワークが浸透したことでオンラインのコミュニケーションが進み、チャットツールやグループウェアが使われるようになりました。ジョブチェンジで転職した企業でチャットツールを使い出してから、情シスに対する同じような問い合わせの多さに疑問を覚えました。

 従来の1対1のコミュニケーションで情シスに問い合わせが多いのは分かります。ただ、チャットツールのようなn対1のコミュニケーションができる場で、同じような質問が何回もされているのは問題だと思います。例えば「Slack」なら、「ctrl+F」ですべてのチャンネルを対象にキーワード検索をすれば同じような質問が見つかるため、大概のトラブルを自力で解決できます。

 情シスを「ChatGPT」のように扱う前に、まずは同じような質問をしている方がいるかどうかを探すべきです。

オフィスの模様替えでは一声かける

 情シスが恐れる問合せの一つが「ネットワークがつながらない」でしょう。ネットワークトラブルはルーターやハブなどの故障が原因の可能性があり、素早い対応が求められるためです。

 ただ、実際のネットワークトラブルの原因は人為的なものがほとんどです。まず多いのは、オフィスの模様替えに伴うネットワーク機器の電源入れ忘れやLANケーブルの挿し忘れです。その程度なら該当するオフィス以外に被害はないため軽症で済みますが、大問題につながるのは「ハブのループ」です。

 ハブのループは、1本のLANケーブルの両端を同じハブに挿したり、2台のハブを2本のLANケーブルでつないだりすることで発生します。ループの何が問題かというと、ループを起こすとネットワークを行き来するパケットの抜け道がなくなり、社内のネットワークがパケットで溢れてつながらなくなることにあります。

 ループが起きると最悪全社のネットワークが止まるため、社内中から情シスに電話などの連絡が殺到します。連絡が多すぎて原因の切り分けすらできません。そんな中、社内のオフィスの図面や配線図とにらみ合いながら必死に原因を探しているとき、ケアレスミスによるループが判明すると、膝から崩れ落ちそうになります。

 ループの際にブザーを鳴らして警告するハブもありますが、高価なため導入していない企業は多いでしょう。なので、オフィスのネットワーク機器をいじる際は必ず情シスに一声かけておきましょう。

PCは大切に

 当たり前のことですがPCは大切に扱いましょう。仮に従業員が退職してPCを返却した場合、企業がそのPCを購入しているなら再利用することになります。その際にPCがステッカーでベタベタだったり、たばこの匂いが付いていたりすると、再利用の前に掃除や修理が必要になります。

 また、たまにあるのが従業員によるPCの魔改造、例えば「メモリの増設」です。ノートPCは意外と簡単にメモリの増設ができるため、稀に増やされていることがあります。資産管理ツールはメモリの増設を想定していないことがありますし、誰かに被害が出るわけではないため見つからないことが多いです。見つけた時はむしろその従業員に関心してしまいました(でもダメです)。

 PCを乱暴に扱うだけなら影響範囲は狭いですが、紛失の対応は大変です。PCを紛失すると、少なくとも該当部門と情シス、多いと総務と人事、秘書が動くことになります。紛失が確定すると企業によっては社長名義で謝罪文を関係各所に送る必要があり、紛失した従業員は悪い意味で社長に名前を覚えられます。

 謝罪文の送り先を決めるため、情シスは影響範囲を割り出すことになります。PCを紛失して落ち込んでいる従業員に聞き取りするのは、紛失した本人に責任があるとはいえ胸が痛むので避けたいです。

実は最近やってしまいました

 本コラムで色々と講釈を垂れましたが、実は筆者も最近情シスにご迷惑をおかけしました。PC用ACアダプターの電源プラグとコンセントの間に、ACアダプターのアース線を挟んでプラグを指してしまったことが原因で、プラグがショートして焦げてしまいました。

 「これはやってしまいましたなぁ……」と思い情シスに連絡したのですが、情シスの方は嫌な顔一つせず、新しいACアダプターに交換してくれました。

 新しいACアダプターを手に入れるためには、PCメーカーに電話をして原因を説明し、不良品を郵送して新品を受け取る必要があります。情シスがそのような本来必要ない作業をしてくれていることを知っているので、より反省が深まりました。

 自分のことは棚に上げますが、まだまだ情シスの業務を楽にする方法はありますので、今後も編集部コラムで書いていきたいと思います。


(左)焦げた電源プラグ(右)溶けたアース線

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る