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職場での印象を左右する「体重差別」の恐怖

あるデータで判明した、職場での体重による差別の実態とは。体重による差別は職場や労働者にどのような影響を与えるのだろうか。

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HR Dive

 職場における差別はさまざまな形で行われている。国によっては法律で差別からの保護を規定しているが(注1)、体重に基づく不公平な扱いはそこに含まれないケースが多い。差別に関する多くの調査で、「従業員が体重を理由に差別的な扱いを受けている」という結果が出ている。

体重による差別の実態

 職場で体重による差別を受けたことがある人はどのくらいいるのか。また、企業の面接や職場での印象において、体重によって不利益を被ることはあるのだろうか。

 デジタル履歴書の作成を支援するResumeBuilderが2023年4月に実施した調査によると、1000人の回答者のうち4分の1以上が自分の体重に関連して職場で「間違いなく」または「おそらく」差別を経験したと答えている(注2)。「体重による差別を受けた」と回答した人の割合は、自己申告で「過体重」と答えた人の中で53%、「肥満」と答えた人の中で71%だった。

 米国人材マネジメント協会(以下、SHRM)が2023年5月8日に発表したデータによると(注3)、肥満の従業員は「怠け者」「やる気がない」「プロ意識がない」と見られる傾向があるのに対して、平均体重の従業員は「高いパフォーマンスを発揮している」「勤勉」「やる気がある」「リーダー」と見られる傾向があるという。

 SHRMのデータでは、こうした固定観念が職場に与える影響も示されている。人事担当者の11%が求職者の応募プロセスにおいて「体重が判断材料になる」と答え、「肥満の従業員は平均的な体重の従業員と同等に扱われない」と回答している。

 米国の法律は体重差別を十分に取り締まれていないが、いくつかの州や自治体では独自の法律を制定している。ニューヨーク市議会は2023年5月11日に、体重による差別を禁止する法案を承認した(注4)。ミシガン州の差別禁止法は保護カテゴリーに体重を明示的に含めており(注5)、サンフランシスコを含むいくつかの都市の法律も同様である(注6)。

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