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“出社組”の離職が26%増加 専門家が語る打開策

ある調査で、企業がオフィス勤務を義務化すると従業員の定着が難しくなる実態が浮き彫りになった。専門家が語る解決策とは?

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HR Dive

 全米産業審議会によると、オフィス勤務の義務化は従業員の定着率を悪化させ、雇用を困難にする恐れがあるという。同団体の調査対象となった人事幹部の4分の3近くが、従業員をオフィスに戻すことに課題を感じており、68%がオンサイト勤務を増やす戦略を検討していると回答した。

 しかし、これらの取り組みが従業員定着率を下げる可能性がある。オフィス勤務を義務付けている回答者の71%、従業員に勤務地の選択肢を与えている回答者の46%が「従業員の定着に苦労している」と述べた。

専門家が語る打開策は?

 オフィス勤務者の自発的な離職率は過去6カ月で26%増加しており、これはテレワークで勤務する従業員における増加率の2倍だ。どうすればこの状況を打開できるのか。専門家によれば、企業が“ある策”を講じれば、従業員の定着率が改善する可能性があるようだ。

 全米産業審議会で人的資本関連のバイスプレジデントを務めるロビン・エリクソン氏は次のように述べる。

 「人材を引き付け、維持するために、経営層は職場の柔軟性とオフィス勤務の文化的・社会的な利点のバランスを取る方針を策定する必要がある。組織によって異なる部分はあるが、多くの場合、ハイブリッドワークが適切な解決策となるだろう。この調査結果が示す通り、予想を裏切り続ける労働市場のなかで、ハイブリットワークの提供は従業員を引き付け、定着させるための重要な手段である」

 近年、従業員の生産性が低下傾向にあるとの懸念が高まっているが(注1)、専門家たちは「根本的な原因はテレワークだけにあるのではなく、パンデミックや技術的な問題、レイオフ、インフレなどの混乱が、従業員の生産性低下に影響している可能性がある」と述べている(注2)。

 全米産業審議会によると、アメリカの労働生産性がピークに達したのは2021年で、当時は全従業員の38%がテレワークだった。その後、テレワークの減少と共に労働生産性も低下しているという。報告書では「テレワークの減少と労働生産性の低下に相関関係があるかどうか判断するにはまだ早い」とも述べられている。

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