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Slackは機能を盛り込み過ぎ? 大幅アップデートへの不満と開発元の言い分

「Slackのユーザーインタフェースが人々を不機嫌にしている」というのは冗談だが、核心を突いている。アップデートに対する反応を紹介する。

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HR Dive

Slackへの楽観的な見方が不足している。仕事になると、人は不幸な絆に引き寄せられるためだ(出典:Slackのブログ記事)

 私はいつもソフトウェアのアップデートを後回しにしている。PCは同世代の多くの人と同様に「慢性的なオンライン」のため、故障したときにだけ電源が切れる。そのため、Slackの2023年8月のアップデートに対応するのに1カ月がかかった。

 Slackのブログによれば(注1)、開発者は新しいデザインを「整理整頓、集中力、生産性の維持」に役立つように作り上げ、チャネルやDM、アプリが「ホーム」に統一された。同ブログには、「Slackは家のように馴染みがあり、一日中拠点にできる場所でなければならない」と述べられている。


不必要機能の詰め込みなのか、将来の生産性向上のために必要な“不快感”なのかが判断できない(出典:Slackのブログ記事)

 私は神経発散的な人間であるため、気を散らすものが少なくなるという考えが好きだ。通知を通知しないことで、インタビューの記録や研究者の膨大なデータを基に記事を書くことができる。しかし、投げかけた質問への急な回答や、会議のリマインダー、困っている編集者のサインなどを見逃してしまうこともある。最も差し迫った通知のみを表示するのは歓迎すべき変更だ。

 それでも新たな更新に対する見方はさまざまだ。アートやデザインを手掛けるCreative Bloqのジョセフ・フォーリー氏は、アップデート前からSlackのインタフェースが肥大化していると感じ始めていたという(注2)。同氏は「Slackは『canvas』や『Huddle』、そしてあらゆるメディアとの連携など、より多くの機能性を追求しすぎたのかもしれないと」としている。

 またThe Atlanticのイアン・ボゴスト氏は、Slackのアップデートに気付いたときの差し迫った“破滅感”と、同僚たちがレイアウトへの不満に“膨大な時間”を費やしたことについてを書いた(注3)。このエピソードは、ボゴスト氏が「ソーシャルメディア風のアプリケーションの氾濫と過剰な接続性」を批判する出発点となった。


「後で」とマークされたメッセージの受け口が見やすくなった(出典:Slackのブログ記事)

 アップデートが長い目で見て役立つか有害であるかは問題ではない。ユーザーが単一の判断をすることはなく、派閥が存在するだけだ。ボゴスト氏が書いたように、必要ないと思われる変化はすべて悪いものだということだ。快適な環境に戻る方法を提供する少数のアプリとは異なり、Slackのユーザーは以前のバージョンに戻ることはできない(ただし、開発者は新しいデザインに関するフィードバックを受け入れる)(注4)。

 今回のアップデートとSlackのCPOであるノア・ワイス氏の発言から(注5)、The Vergeのデヴィッド・ピアース氏は、「Slackは新機能のリリースをすぐにやめるつもりはない。メッセージングツールがどれだけ乱雑で複雑であるべきかの限界をテストし続ける」とコメントした。

 Inc.のテクノロジーコラムニストであるジェイソン・アテン氏は、人々のSlackの使い方が下手なだけでなく、「物事を整理したり検索したりする際に、インタフェースがまったく役に立たない」と主張した。

 アテン氏は多くの批評家よりもわずかに楽観的で、「Slackは単にインタフェースを再設計しているだけではなく、私たちの使い方を再考している」と書いている。アテン氏は、通知の不協和音が神経を逆なですることに同意しつつ、このアップデートにより「注意が必要なものを本当に見つけやすくなった」と述べた。


canvas、Huddle、Threads、やり過ぎ?(出典:Slackのブログ記事)

 Slackについて楽観的な見方が不足しているのは当然だ。仕事になると、人は不幸な絆に引き寄せられるためだ。科学者は「私たちがネガティブな刺激に囚われる傾向があるのは進化のせいだ」と主張しており、それは生存戦略だ。

 そして、Slackの再設計を嫌っている人々は信じてほしい。最近、私の仲間の記者や編集者などが、当社の買収に伴う大規模な技術移行に巻き込まれ、苦労して新たな環境に適応した。“新婚の義理の親の権威に対抗する手に負えない子供たち”のように、新しいテクノロジーへの適応が私たちにどのような影響を与えたかについて(当然のことながらSlack上で)言いたいことがたくさんあった。

 ワイス氏は、最新機能によりSlackは「生産的で快適な家」になったと述べた。私は少なくとも十数回は引っ越した経験から、新しい家に慣れるのに時間がかかることを知っている。しかし、好む好まざるにかかわらず、あなたとあなたの従業員は最終的に、“奇妙な新しい世界”に慣れるだろう。

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