アフラックがオフィス回帰に成功 “アンチ出社勢力”にどう対処した?
アフラックは、3年間の在宅勤務の後、オフィスワークへの復帰に成功した。従業員の15%が退職するリスクがあったが、実際は2%にとどまった。オフィス回帰を成功させた秘訣とは。
アフラックは、3年間の在宅勤務の後、オフィスワークへの復帰を決意した。ただ、復帰に対する一定の抵抗があり、従業員の15%が退職するリスクがあった。
しかし、実際のオフィス回帰では、退職者の割合を2%にとどめることに成功した。アフラックがオフィス回帰を成功させた秘訣(ひけつ)とは。
15%の退職リスクを2%に抑えた方法
アフラックがオフィスワークへの復帰の計画を成功させるためには「柔軟性」が必要だったという。
アフラックのジェリ・ホーソン氏(CHRO:最高人事責任者)は、Reutersが2023年11月7日(現地時間)にシカゴで開催した「Workforce Health conference」で、「リーダーたちは、3年間の在宅勤務の後、オフィスへワークへの復帰の呼びかけには一定の抵抗があると予想していた」と「HR Dive」に語った。
変更に対する苦情の電子メールもあった。しかし、この義務化を理由に退職を選択した従業員は最終的に2%程度であり、リーダーが懸念していた「大量退職」とは程遠い割合だった。
ホーソン氏は、次のように述べた。
「懸念していたのは、従業員の15%が退職を決意するかどうかだった。実際のところ、彼らは辞めなかった。従業員が退職しなかったのは、オフィスワークへの復帰に関するポリシーを導入する際に、企業が取ったアプローチに起因している」と彼女は述べた。
リーダーたちは、オフィス回帰を実施する数カ月前から変更内容を従業員に伝え、従業員に介護者やペットへの対応について調整する時間を与えた。
また、特定の役割を有し、特定の場所で働く必要がある従業員のポリシーを普遍的なものとした。「それは個人ではなく、仕事に基づいている」とホーソン氏は述べる。そうすることで、特定の従業員を特別扱いせず、オフィスワークへの復帰しやすくなったという。
他にも、「オフィスワークへの復帰は、企業文化の向上に役立つ」というメッセージがトップダウンで伝えるといった工夫もしている。
また、同社はオフィスワークへの復帰に関するポリシーを策定する際に、従業員に対するアンケート調査を何度も実施し、希望を考慮した。ホーソン氏は「従業員のフィードバックを求める場合は、幻滅を避けるために、その洞察をどう生かしたかを明確に説明する必要がある。従業員の希望と異なる方向に進む場合は、その理由を明確に説明すべきだ」と警告した。
そして何よりも、アフラックはポリシーの実施について柔軟であることを選んだ。ホーソーン氏によると、当初は従業員に週3日の出社を義務付けていたが、フィードバックの後、週の60%をより柔軟な形で対応するように修正したという。同氏は管理職に、ポリシーの実施に当たって「合理的であること」と「従業員に柔軟性を提供すること」を求めた。
出典:Aflac CHRO: ‘Be reasonable’ about return to work(HR Dive)
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