就職活動において、違和感のある求人を見かけることは頻繁にあるだろう。あまりにも年収が高かったり、簡単にキャリアアップできたりなど、内容はさまざまだ。
人事の専門家は「不適切な求人広告は、結果として求人費の高騰につながる可能性がある」と語る。不適切な求人を出すべきではない理由や、欲しい人材に求人を届ける4つのステップを解説する。
不適切な求人をなぜ出すべきではない?
2023年10月31日(現地時間)、SHRM Inclusionのセッションで、採用コンサルティング企業であるThree Ears Mediaの創設者のカット・キベン氏は、次のように述べた。
「不適切な求人広告は人々の希望を奪い、結果として、求人費の高騰につながる可能性がある」
残念なことに、雇用主にとって悪質な求人広告はあまりにも一般的である。悪質な求人広告は、雇用主の経費を浪費するだけでなく、長期的には従業員の退職につながり、採用マネジャーに対する採用担当者の信頼を失わせることになりかねない。
「求人広告についてよく考えない雇用主は、多くの価値を見逃している可能性がある。ブランディングの側面からも考えてみよう。人々が目にして、企業に対するイメージを構築する要素として、キャリアサイトや電子メール自動化ストリームはそれぞれ一つしかない。一方で、何百もの数が存在するものがある。それは、求人広告だ」
採用を成功させるための求人広告の4つのコツ
つまり、求人広告を適切に掲載することが、企業全体の成功に不可欠なのだ。キベン氏は「求人広告を適切な人材に確実に届けるために、採用担当者が取るべき4つの重要なステップ」について説明した。
1. プロセスに対してオーナーシップを持つ
採用プロセスに主体的に関わらずに、採用マネジャーからの注文にのみ従うことで、採用担当者は早い段階から自らに制約を課してしまう。
「インテークミーティングは選択肢ではない。どんな場合であっても、共同作業として行わなければならず、採用担当者は採用マネジャーと共に取り組む必要がある」とキベン氏は述べた。
採用プロセスの詳細や候補者と会うまでに必要な期間、ベンチマーク、求人投稿の掲載場所と掲載期間、面接の進行方法、そして、希望の候補者と会った場合の対応について、採用マネジャーに説明しよう。
「あなたが採用の専門家であると採用マネジャーに示すのだ」とキベン氏は述べた。そして、これらの質問に答えることで、採用マネジャーと強固な信頼関係を構築できる。
2. 社外に示す役職名を戦略的なものとし、社内の役職名とは変える
「求人広告に記載する職種名は難しいテーマかもしれないが、採用担当者にとって重要なのは、求人広告を適切な人の目に触れるようにすることだ」とキベン氏は指摘する。採用マネジャーは、社内における職種名に縛られるかもしれないが、採用プロセスでは、社外向けに作成した職種名が適切な応募者を引き寄せるために役立つ。
しかし、採用担当者はどのようにして適切な職種名を見付けるべきだろうか。Google検索で、職種名と「履歴書」というキーワードを入力し、表示される結果を確認しよう。そこから3つを選び、「Google Trends」でトラフィックを比較する。そして「そのレポートをインテークミーティングに持参するのだ」とキベン氏は述べる。
採用マネジャーはこのレポートを見て驚くかもしれない。そのため、採用担当者による段階をふんだ説明が求められる。キベン氏は、なぜマーケティングの職種タイトルが異なるかを強調することを勧めている。
3. 現実的な必須要件を設定する
「機会があれば、採用マネジャーは、求人における必須要件をまとめたリストを提供するだろう」とキベン氏は述べた。その仕事に本当に必要なことを掘り下げるためには、それが繰り返しになったとしても、適切な質問をすることに慣れなければならない。質問には次のようなものがある。
- この仕事に就く人は、毎日どのようなツールを使うのかどうか
- 彼らは以前にどのようなプロジェクトに携わってきたのかどうか
- このポジションの人は毎日何をしているのかどうか
- 毎日誰と話すのかどうか
- このポジションの人は、人を管理するのかどうか
- 「これがない場合、履歴書は見せないでほしい」という項目は何かどうか
「最後の質問は、オープンクエスチョンで聞くべきではない」とキベン氏は述べる。以前聞いた話を基に「XやYと言っているのを聞いたが…」と補足しよう。
4. 恐れずに偏見に対処する
「あなたも含めて、誰もが偏見を持っている。しかし、あなたは求人広告の専門家であり、感情ではなくデータでその誤りに気付くことができる」とキベン氏は述べた。
求人広告によくある偏見には、多くの採用担当者が非常に基本的な要素だと考えているものが含まれる。経験年数が一例だ。
「それは年齢差別だ。また、前職に就いていた期間をどのように過ごしたかについて、通常、応募者は何も語らない。経験は最も中立的な言葉である」ともキベン氏は述べている。
大卒であることも、求人広告における偏見の一例であり、高い資質を持つ応募者を特定の仕事から遠ざけている可能性がある。「弁護士や医者など、確かに学歴が必要な仕事もあるが、多くの場合、それは人為的な障壁に過ぎない。大学に行くことは権利ではなく、特権なのだ」とキベンは言った。
採用担当者が取るべき最善の方法は、その仕事に必要な要素について具体的に率直に話すことだ。「『言語能力が高い』というような漠然とした表現を用いず、『技術的な問題について経営幹部と話ができる』と表現すべきだ」とキベン氏は説明した。
「スキルは世界共通の言語ではない。親友に話すように、それが何を示すのか具体的に伝えよう」(キベン氏)
出典:4 tips to craft job posts that land hires(HR Dive)
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