定年退職者の3分の2が再就職で不安視していること
定年退職者の3分の2は、再就職である心配ごとを抱えている。企業は、その心配事を考慮することで、予想外の高スキル人材を獲得できるかもしれない。
就活支援サービスを提供するResumeBuilder.comが2023年11月28日に公開した報告書によると(注1)、定年退職者の約12%は「インフレと生活費の高騰を理由に、2024年から再び働き始める可能性がある」と答えている。
しかし、定年退職者の3分の2は就職で不安視していることがある。企業は、その心配事を考慮することで、予想外の高スキル人材を獲得できるかもしれない。
シニアが再就職で不安視していること
復職の可能性がある定年退職者の3分の2は「年齢差別が仕事の見通しに影響することを恐れている」と述べている。また、62〜85歳の米国人の約4人に1人が「現在働いている」と回答している。
ResumeBuilderのチーフ・キャリアアドバイザーであるステイシー・ハラー氏は、声明の中で「多くのシニアは経済的な理由から再び働き始めるが、それだけが理由ではない」と述べ、以下のように続けた。
「私は定年退職した人によく会うが、彼らは他の人たちと一緒に働くときの仲間意識を求めている。多くの人は、単にゴルフを楽しむのではなく、まだ競争に参加したいと考えている。また、何か新しいことに挑戦したり、探求し続けたりすることに高揚を感じているのだ」
62〜85歳の米国人500人を対象にした調査では、仕事復帰の理由のトップは「インフレと生活費の増加」(61%)であり、次いで「老後の蓄えがの不足」(34%)、「借金の返済」(34%)、「退屈しのぎ」(34%)という理由があった。
復職を考えている人のうち、約4分の1は「非常に熱意がある」と回答し、半数は「やや熱意がある」と回答している。約59%の人が新しい業界での再就職を希望しているが、14%は以前の職場に戻ることを希望している。
勤務態様について、45%の退職者は対面式勤務への復帰を希望している。約32%は完全なテレワークを希望し、11%はハイブリッド勤務を希望している。残りの11%は「勤務地に特に希望はない」と答えた。
同時に、定年退職者の3分の2が「年齢による偏見を懸念している」と答えている。ハラー氏は「ほとんどの企業は雇用法を理解し、面接で質問できること、できないことを理解しているはずだ」と指摘した。
ハラー氏は、次のように述べる。
「高齢の米国人が長年の仕事の中で身に付けた専門的なスキルは、多くの企業がこの層からの採用に関心を持つ理由の一つである。企業は、この層が組織にもたらす価値を理解している」
それでもなお、2023年10月のイベントで数人のパネリストが述べたように、企業によっては採用活動における「盲点」や年齢差別に対処する必要がある(注2)。これには、採用戦略や採用資料の評価だけでなく、年配の求職者を全ての候補者のプールに含めることによる多様性、公平性、包摂に関する取り組みの改善が含まれる。
Bain&Coの報告書によると、次の10年で、米国の労働力の25%が55歳以上の従業員で構成される可能性があるという(注3)。企業は、年配の従業員を効果的に採用し、スキルを向上させ、統合のためのプログラムを開発することで状況に備えることができる。
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