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調査で判明した 出社を"半強制"される社員の特徴

オフィスへの復帰を促す動きが強まっている。しかも、オフィス回帰の対象者は“ある従業員”に限定されているようだ。

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HR Dive

 コロナ禍でテレワークが浸透したが、最近の調査結果ではオフィスへの復帰を促す動きが強まっているというという結果が出ている。

 しかも、オフィス回帰の対象者は“ある従業員”に限定されているようだ。半強制的にオフィス回帰が進んでいるのは、いったいどういった人たちだろうか。

半強制的にオフィス回帰が進んでいる人たちとは

 従業員インサイトに関するサービスを提供する企業であるPerceptyxが実施した従業員パネル調査によると(注1)、もはや企業は既存の従業員のオフィス復帰を推奨しておらず、その代わりに新入社員を対面業務に従事させることに注力しているという。

 Perceptyxによると、過去2年間、テレワークやハイブリッドワークで勤務する従業員の割合はほとんど変化しておらず、オフィスで勤務する従業員の割合にも統計的な変化は見られなかった。

 しかしPerceptyxは、2022年から2023年にかけて、オフィスで働く新入社員の割合が62%から69%に増加したことを明らかにした。一方、他の調査対象では、オフィス勤務の割合が若干増加するにとどまり、減少している場合もあった。

 最近の調査では、オフィスへの復帰を促す動きが強まっているという結果があるが、Perceptyxのデータはこの数字について異なる見解を示している。Perceptyxで人事分析や研究、洞察の業務に従事しているエミリー・キルハム氏(シニアディレクター)は、ニュースリリースで次のように述べた。

 「雇用主は、新入社員のテレワークやハイブリッドワークを段階的に減らしている可能性がある。私たちの誰もが『オフィスに復帰しない場合、仕事を失うことになる』という話を聞いたことがある。しかし、ほとんどの企業は既存の従業員にオフィスに戻るように圧力をかけていないようだ。全面的なオフィス復帰を本気で実現しようと考えているのであれば、企業は既存のスタッフへの強制ではなく、人員削減によってそれを実現しようとしている可能性がある」

 この変化は、従業員をオフィスに強制的に戻すことによる離職の懸念に、雇用主が対応したものかもしれない(注2)。

 シカゴ大学の研究機関National Opinion Research Center(NORC)が実施した調査に回答した人事担当者の54%は、テレワーカーをオフィスに戻すことを「小さな問題」と評価し、19%はそれを「重大な問題」と評価した。約4分の1は「離職は問題ではない」と回答している。

 オフィスへの復帰を義務付けている企業は「主にバッジのスワイプを通じて、従業員の出勤状況を追跡する」と述べている(注3)。10社のうち8社は、2024年に出勤状況を追跡し始める意向であり、ほとんどの企業は「従業員がポリシーに従わなかった場合、処罰を受けることになる」と述べている。

 しかし、ハイブリッド技術を提供するOwl Labsが2023年6月に行った調査によると、従業員はリスクを回避する方法をすでに見付けている。回答者の58%は「顔を合わせるために数時間だけオフィスに出勤する『コーヒーバッジング』という手法を採用している」と答えた(注4)。

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