IT部門が仕事を奪われてまでもAIを導入したい理由
AIに関するある調査で、IT管理者の5人に4人近くが「AIの導入は組織にポジティブな効果をもたらす」と回答した。IT部門がAI導入に積極的な理由とは。
2024年2月14日(現地時間)に発表されたソフトウェア企業のレポートによると、IT管理者の5人に4人近くが「AI(人工知能)の導入は組織にポジティブな効果をもたらす」と回答している。同企業は2023年11月に、中小企業のIT意思決定者1213人を対象に調査を実施した。
AIに対するIT部門の期待と懸念
IT管理者のうち、このテクノロジーの効果をネガティブなものと考えているのはわずか6%である。一方で、半数近くが「AIが自分の仕事に与える影響を懸念している」と答えた。
若い技術者ほど、AIがキャリアに及ぼす潜在的な影響を懸念している。34歳以下のIT管理者は、45歳以上の従業員よりもAIの時代におけるキャリアに不安を抱いている。
Goldman Sachsによると(注1)、企業がAIを導入することで、最大で3分の2の職種がある程度の影響を受ける可能性があるという。Indeedによると(注2)、現在、AIによる影響を大きく受ける職種は5つに1つだ。
AIは、反復的で単純なタスクの自動化で活用される傾向がある。IT領域ではヘルプデスクが最も影響を受ける可能性が高い(注3)が、これらの従業員は代替されるのではなく、より価値の高いタスクに移行できる。
他の種類の作業において、AIが完全に人間の代わりになることはないが、その主な理由として、システム導入の初期費用が挙げられる。MITによると(注4)、品質検査や医療画像の分析など、人間の視覚に頼る作業はAIに比べて費用対効果が高いという。
また、生成AIはクエリに対して不正確な回答をする可能性もあり、実装で混乱を生じる可能性もある。偏見とプライバシーの問題は(注5)、さらなる障壁として存在している。
JumpCloudによると、技術の成熟を受けて、企業はすでに採用の準備を進めている。レポートによると、ほとんどの企業で採用計画や方針が進行中、または計画段階にあるという。
出典:Despite career concerns, IT admins see AI as net positive(CIO Dive)
注1:How much will generative AI disrupt jobs?(CIO Dive)
注2:Generative AI will ‘no doubt’ affect all jobs, Indeed says(CIO Dive)
注3:Generative AI’s momentum casts uncertainty over the future of the IT service desk(CIO Dive)
注4:Human sight still cheaper than most AI replacements, MIT finds(CIO Dive)
注5:Bias, privacy issues challenge generative AI use: Forrester(CIO Dive)
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