想像以上に歴史を変えてきたMRP “3人の始祖”から振り返る(2/3 ページ)
製造業におけるMRP
MRPは製造工程の効率化や有効性、収益性確保のために欠かせない。適切な資材と部品が手元になければ、コストと品質による製品需要への対応は望みようがない。需要変動に生産調整で対応することも難しくなる。
また、組立や梱包といった生産後の工程でも、MRPによって在庫の不確実性が取り除かれ、在庫管理にかかる時間が最小化されると、進行が円滑で予測可能なものになる。
なお、MRPはディスクリート製造とプロセス製造のどちらでも有効だ。ボルトや組立部品、自動車のような個別に数え上げられるものが完成品なのがディスクリート製造なのに対し、プロセス製造では、化学製品やソフトドリンク、洗剤など、個別に数えることも構成部品に容易に分割することもできないものを大量生産する。
MRPのメリット
MRPの第一義的な目的は、生産プロセスの必要に応じて資材と部品を確保し、スケジュール通りに生産が進むようにすることだが、他にも次のようなメリットがある。
- 顧客リードタイムの短縮による顧客満足度の向上
- 在庫コストの削減
- 製造効率の向上。正確な計算で労働力と設備の利用を最適化する
- 労働生産性の向上
- 価格設定における競争力の向上
- 効果的な在庫管理と最適化。調達する在庫や製造する在庫の量と種類を最適化することで、在庫切れのリスクと顧客満足度や販売、収益に対する在庫切れの悪影響とを在庫コストを必要以上にかけることなく最小化できる
MRPのデメリット
MRPには次のような欠点がある。
- 在庫の供給過剰: MRPは必要に応じて十分な在庫を確保するように設計されているが、企業が必要以上の在庫を確保する誘惑に駆られることで、結果として在庫コストがかさむことがある。また、MRPは在庫不足に備えるため、在庫のロットサイズとリードタイムの見積もりが過剰になる可能性がある。特に導入当初は、ユーザーがまだ実際の必要量を経験から把握できない
- 柔軟性の低下: 基準日程生産計画に影響する事柄(資材配送を遅延させる問題や工場労働者の効率)やリードタイムの計上の仕方において、MRPは単純化しすぎて融通が利かない部分がある
- データの完全性要件: MRPは需要や在庫、生産をはじめとする重要な入力情報の正確性に大きく左右される。不正確な入力が少しでもあると、後の段階でずれが大きくなる可能性がある。MRPを効果的に活用するにはデータ完全性とデータ管理が欠かせない
MRPのこうした欠点に対処するため、APS(Advanced Planning and Scheduling)ソフトウェアを使う製造業者が多い。APSは高度な数学と論理でリードタイムをより正確に現実に即して予測する。多くのMRPとの相違点はAPSが生産能力を考慮する点だ。生産能力は資材の可用性に大きく影響することがある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
Windowsを使い続けるのは正解か? 「Linux化」というモダナイズのもう一つの選択肢
-
2
「Gemini Notebook」で利用者10倍 シニア社員をAIヘビーユーザーにした首都高の考え
-
3
スウェーデン発、AI議事録Klangが日本上陸 無料で文字起こし無制限
-
4
禁止しても無駄? 社員が勝手にAIを使う時代、情シスはもう止められない
-
5
「社内情報をAIに食わせればいい」だけでは足りない、情報検索精度向上の鉄則
-
6
スクエニ開発陣が「ドラゴンクエストX」の世界観を守るのに「Gemini」が必要だったワケ
-
7
なぜNTTは「小型LLM」にこだわるのか 国産AI「tsuzumi 2」に込めた狙い
-
8
電子化した、ファイルサーバも捨てた なのになぜ、ファイルはどこにもない?
-
9
できる人ほど教える時間がない AIは暗黙知の夢を見るか
-
10
ランサムウェア対策の3ステップ AWSが提唱する「3-2-1-1-0」ルールとは
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー