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SaaS契約に費やす時間は年間385時間 “見えないコスト”をどうする?

SaaS契約に費やされた時間の価値を考慮すると、企業は帳簿上の金額よりもはるかに多くの金額をSaaSにつぎ込んでいる。

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CIO Dive

 調査企業のVerticeによると、企業はSaaSやクラウド契約の購入および更新に関する会議に年間で平均385時間を費やしている。同社は2024年3月7日(現地時間)、1000以上の企業の調達プロセスを基に分析したレポートを発表した(注1)。

SaaS契約の見えないコストをどうする?

 Verticeの調査によると、SaaSの購入と更新を担当する従業員は、ソフトウェア契約の見直しと更新のエンド・ツー・エンドのプロセスに1年間の半分以上を費やしていることが分かった。

 この時間的な負担は、ソフトウェア契約業務が集中するIT部門と財務部門に影響を与える。Verticeのエルダー・トゥヴェイ氏(CEO兼創設者)は、報告書で「財務部門とIT部門のリーダーには、ソフトウェアの購入や更新のために終わりのない会議や電子メールに追われるのではなく、価値の高い戦略的な取り組みに集中する時間が必要だ」と述べた(注2)。

 契約に費やされた時間の価値を総コストに加味すると、企業は帳簿上の金額よりもはるかに多くのリソースをSaaSに注ぎ込んでいる。

 調査企業のGartnerによると、価格は購入の意思決定において悩みの種であり、最重要事項であるという。同社は、企業がAIの強化やサイバーのアップグレードを優先するため、商用ソフトウェアに関する世界的な支出は2025年に1兆ドルに達すると予想している(注3)。

 しかし、SaaSベンダーのZyloの調査によると、企業顧客は2023年、未使用のアプリケーションに平均1800万ドルを費やしており(注4)、無駄を省くことが優先事項であることに変わりはない。

 「時は金なり」が真実ならば、調達プロセスには十分な改善の余地がある。

 Verticeの分析によると、企業は新規購入におよそ100日、更新に平均60日を費やしている。各決定には、複数の会議やデモ、交渉、法務部門、サイバー部門、財務部門からの承認が必要だ。ほとんどの購入者は、新しいソフトウェアを購入する度に3つのサービスを検討している。

 最適化の機会は多岐にわたる。企業は毎月平均5件のSaaS契約を更新し、常時126件の有効な契約のポートフォリオを管理していることが報告書で明らかになった。

 Verticeの2023年11月のソフトウェア支出分析によると、ソリューションへの支出が増加するにつれ、価格も上昇している(注5)。2203年のSaaSのインフレ率は、SaaSの価格上昇によって8.7%に上昇した。これは同時期の消費者物価指数が示すインフレ率の2倍以上だった。

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