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「ハイブリッドクラウドは便利だけど……」ITリーダーの8割が悩むこと

多くの企業でハイブリッドクラウドが定着した。一方、84%のITリーダーがクラウドの“ある項目”を課題として挙げている。

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CIO Dive

 ITサービスを提供するFlexeraの調査によると、約5人に3人が「複数のクラウドを使用している」と回答し、45%が「クラウド間のデータ統合をしている」と回答したことから、企業でハイブリッドクラウドが定着しているのが分かる。

 一方、回答者の84%がクラウドの“ある項目”を課題として挙げており、その割合はサイバーセキュリティを上回っている。ITリーダーはクラウドにおける一番の悩みとは。

クラウド活用で8割のITリーダーが悩んでいること

 ITサービスを提供するFlexeraの第13回年次報告書「State of the Cloud Report」によると(注1)、「多くの企業がハイブリッドクラウド戦略に取り組んでおり、大手3社のパブリッククラウド・プロバイダーに大きく依存している」という。同社が2024年3月12日(現地時間)に発表したレポートでは、753人のITプロフェッショナルとエグゼクティブリーダーを対象に調査が行われた。

 Flexeraの調査によると、企業はさまざまなワークロードをどこで実行するかについて検討を進めている。回答者の約5人に3人が「複数のクラウドを使用している」と回答し、前年比で3ポイント増となった。また、クラウド間のデータ統合はより一般的な手法となり、回答者の45%が「取り組んでいる」と回答し前年比7ポイント増だった。

 この傾向は、企業のエコシステムでハイブリッドクラウドが定着した状態を反映している。回答者のほぼ全員がパブリッククラウドを導入し、約4分の3がプライベートクラウドを利用しており、大多数が両方を活用している。

 企業は支出急増の直後にコストを精査する傾向がある。クラウド分野では、マイグレーションの急増と経済の不確実性が相まって、組織は複雑な請求手続きや過剰なシステムという課題を乗り越えて最適化を実現しなければならなくなった。

 Flexeのブライアン・アドラー氏(シニアディレクター)はレポートで「2024年はクラウド導入に関する複雑な1年になる。経済の不確実性を乗り越えるために、組織は生成AIやセキュリティ、持続可能性に投資しながらも、コスト管理に優先的に取り組まなければならない」

 2023年に引き続き、84%がクラウドコストの抑制を課題として挙げており、サイバーセキュリティを上回った。アドラー氏が「CIO Dive」に語ったところでは、回答者の81%がセキュリティよりもコストを主要な懸念事項として挙げた事実は、クラウド戦略の成熟が進んでいることを示しているという。

 「クラウドに移行するワークロードとデータはますます増えており、支出を管理することが優先事項の一つになっている。同時に、銀行や医療機関など、規制が厳しくセキュリティ意識の高い業界でも、クラウドへの移行が進んでいる。仮に金融企業のCapital Oneがクラウドでセキュリティの問題がないサービスを提供していれば、ウィジェットを製造している企業はより安心してクラウドに参入できるだろう」(アドラー氏)

 その快適さは支出の伸びにも反映された。

 同レポートによると、4社に1社以上がクラウドに年間1200万ドルを費やし、4分の1近くがクラウドベースのSaaSに同額を費やしている他、毎月100万ドル以上をクラウド技術に費やしている企業は前年比で21%増加している。

 SaaSとプラットフォームサービスは軒並み利用が増加し、クラウドデータウェアハウスが最も急増した。回答者の3分の2近くが「自社でデータをクラウドに保存している」と回答し、前年比9ポイント増となった。

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