富士通ゼネラルが脱メインフレーム、複数企業がS/4HANAを導入【ERPニュースまとめ読み】:週刊ERPニュース
2024年6月24日週は、複数企業のS/4HANA導入や、富士通ゼネラルの脱メインフレームが話題となった。ERPニュースをまとめて紹介する。
2024年6月24日〜28日で報じられた主要ERPニュースをまとめて紹介する。日付は発表日に基づく。なお、ニュースソースが複数あるものはそのうちの一つを示した。
複数企業がS/4HANAを導入、富士通ゼネラルは脱メインフレームに着手
6月24日の週は、SAP S/4HANA Cloudの導入事例が2件発表された。また、富士通ゼネラルは30年以上基幹業務に利用していたメインフレームからERPへの移行計画に着手した。ERP関連の調査記事や、新機能追加などのニュースも合わせて届ける。
●2024年6月24日
TISが、富士通ゼネラルのERP移行と同時並行で経費精算クラウド「Spendia」を導入したと発表した。富士通ゼネラルは、30年以上基幹業務に利用していたメインフレームからクラウド型ERPのSAP S/4HANA Cloudに移行する計画に着手している。
●2024年6月24日
SAPジャパンは、国内の医療用漢方製剤の製造・販売を中心に事業を展開している製薬企業のツムラが、SAP S/4HANA Cloudを中核としたクラウドオファリングである「RISE with SAP」を採用し、稼働を開始したと発表した。
●2024年6月25日
ワークスアプリケーションズは、「クラウド請求書送受信サービス利用実態調査レポート」を発表した。2024年10月1日の郵便料金値上げを前に、紙の請求書を電子化する企業が増えているという。
●2024年6月25日
フューチャーアーキテクトがレガシーシステム刷新支援に生成AIを導入したと発表した。「Futurefraqta」の現行コード解析機能に生成AIを導入し、より効率的なシステム刷新を可能にするという。
●2024年6月26日
SAPジャパンは6月26日にも、大阪市内およびその周辺地域で地下鉄などを運営するOsaka Metro(大阪市高速電気軌道)にRISE with SAPを導入したと発表した。
ツムラとOsaka Metroの両方において、業務をSAPの標準プロセスと機能に合わせる「Fit to Standard」手法が採用された。Osaka Metroの導入では想定のアドオンを80%削減することに成功し、SAP S/4HANA Cloud Private Editionへの移行を1年で実現した。
●2024年6月26日
メディアやリサーチ、メディアコマースの事業を提供しているイードは、オロのクラウドERP「ZAC」を販売管理システムとして採用したと発表した。異なる事業の販売管理を一元化できる点や、財務会計との連携性、直観的に操作できるUI/UXが評価されたという。
●2024年6月27日
電子部品や音響機器、カーナビゲーションを製造販売するアルプスアルパインは、国内外延べ81拠点の基幹システムをグローバル統合したと発表した。アビームコンサルティングがプロジェクトを包括的に支援した。1システム/1データベースにてデータを一元管理する「グローバルワンインスタンス」の確立によって、グローバルデジタル経営基盤の変革、DX人材育成の推進を実現したという。
●2024年6月28日
ワークスアプリケーションズはHISが「HUEワークフロー」を全社展開したと発表した。HISは以前から会計システムでHUEシリーズを利用しており、2023年11月に特定の管理部門でHUEワークフローの利用を開始した。他システムとの連携やアクセス制限管理の機能性、操作性の高さが評価されたという。
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