パーソル、「GPT-4o」を社内AIアシスタントに実装 約2万人が利用
ユーザー企業やITベンダーで、最新言語モデル「GPT-4o」の実装が進んでいる。パーソルもその一社だ。
人材業大手のパーソルホールディングスは、2024年6月に生成AI(人工知能)の最新モデル「GPT-4o」を社内専用AIアシスタント「PERSOL Chat Assistant」に実装した。
パーソルが考えるGPT-4oの優位性と導入の背景
パーソルはグループ全体でAI活用を推進しており、現在、社内専用GPTを2種類導入している。そのうち、汎用(はんよう)的な利用を目的にしたのがPERSOL Chat Assistantだ。約1万9000人の国内グループ従業員に展開し、利用率は66%を超えるという(2024年5月時点)。
PERSOL Chat Assistantの効果的な活用事例を従業員同士で共有するコミュニティーも活発だという。GPT-4oを搭載することでさらなる業務効率化と業務時間の削減を進めている
同社はGPT-4oの優位性や特徴を次のように考える。
- 入力データを安全な環境で管理することが可能
- 2023年10月までの情報を学習した言語モデル
- 入力できるトークン数がGPT-4の4倍、GPT-3.5の8倍で、回答精度が向上
PERSOL Chat Assistantは、従業員が開発したプロンプトを従業員同士で共有できるプロンプトギャラリー機能を備える。プロンプトギャラリーには、オンライン会議の文字起こし機能を使って議事録を作成するプロンプトや、過去の商談記録から次の提案資料の骨子を作成するプロンプト、SWOT分析(事業戦略の策定に使われるフレームワーク)などで利用するプロンプトなど、280件以上のプロンプトが掲載されている。
これらのプロンプトを使って精度の高い回答をスピーディーに出力するGPT-4oを活用することで、さらなる業務効率化や業務時間の削減を見込む。今後は、社内情報の検索や画像生成も可能なマルチモーダルAIとして機能を追加する予定だという。
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