VMware環境の「脱オンプレ」をサポートする新サービスとは
VMwareのライセンスがサブスクリプションベースに移行し課金体系が変更されたことで、今後のIT予算の振り分け方と現環境をどうするかが問題だ。
BroadcomによるVMware製品の新ライセンス発表から6カ月が過ぎた。今もなお今後の方針が決まらないユーザー企業は多く、困惑が続いている。今まで通りVMware製品を使い続ける、クラウドへ移行させる、VMware製品を他製品に置き換えるなど幾つかの選択肢がある中で、どう動くかが悩みどころだ。
オンプレVMware環境のクラウドリフトを支えるサポートサービス
オンプレミスで稼働してるVMware環境の「Oracle Cloud Infrastructure」(以下、OCI)への移行と運用を包括的にサポートするサービスが登場した。
アシストはOCIの独自サービス「アシストクラウドマネージドサービス」(以下、ACMS)に「Oracle Cloud VMware Solution」を追加し、VMware環境のクラウド移行をサポートする。オンプレミスで稼働しているVMware環境の移行先としてクラウドに関心が集まる中で、そのニーズに応える格好だ。一般的なOracle Cloud Infrastructureのサポートサービスと何が違うのか。
Oracle Cloud VMware Solutionではユーザー企業専用のテナント環境が提供されるため、ユーザー企業が制御可能なネットワークにVMware環境を構築し、オンプレミスと同等の管理操作と運用を実現できる点が特徴だ。加えて、オンプレミスのVMware環境をそのままOCIへ移行できるため、移行コストと工数も軽減できる。
ACMSは、Oracle製品に関する専門知識と経験を持つアシストのエンジニアが「Oracle Database」や「Oracle Cloud」の運用を24時間365日体制でサポートする。2019年に提供が開始され、契約社数は100社以上、継続率は100%(2023年12月末時点)だという。
Oracle Cloud VMware Solutionを含めたOCIの問い合わせ窓口を一元化することで、ユーザー企業が安全にOCIを利用できるようサポートする。ACMSのメリットは、主に以下の3つだ。
1.切り分け不要、問い合わせ窓口の一元化
Oracle Databaseを含むOracle Cloudに関する問い合わせ窓口を一元化している。製品ごとに切り分け、必要に応じてオラクルの担当窓口にエスカレーションをした上でまとめて回答することで、ユーザーの負担を大幅に軽減する。
2.全てのチャネルで日本語対応
電話と電子メール、Webのいずれかで時間を問わず日本語で対応し、ユーザーの工数や負担を軽減する。また、どのチャネルのやりとりもWebで履歴を確認できる。
3.環境に合わせた最適な回答
アシストの担当営業やフィールドエンジニアと密に連携しながらユーザーの環境を把握し、過去の問い合わせ履歴も参照した上で利用状況に合わせた最適な回答を案内することで、問題解決の時間を短縮する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- VMwareライセンス変更問題 乗り換えるか使い続けるか、皆の声
VMware製品群のライセンス体系変更は多くのユーザー企業、パートナー企業に混乱をもたらした。読者の今後のITインフラの方針はどうなっているだろうか。皆の生の声を聞いた。 - “脱”VMware、一番人気の移行先は? 読者のホンネを聞いた
VMwareのライセンス変更によって、多くの企業のIT予算に影響が出ている。VMware製品群を利用しているユーザーが具体的にどういった製品に乗り換えるのか、調査結果を基に紹介する。 - VMware買収で割高になっても「使い続ける」理由は? ユーザー企業の考え
VMware製品のライセンス体系がサブスクリプション型一択になり、コア単位の課金になったことでCPU当たりのコア数が多ければその分利用料にも影響する。使い続けるか他の環境に移行するかが悩ましいところだ。 - 「ライセンス料が8倍」「板挟みで苦しい」 VMware関係各所の大混乱を整理
連載第4回の本稿は、具体的な読者のお困りごとについてフリーコメントを基に紹介する。VMwareユーザーのコストだけではない多岐にわたる不満や、SIerや販売代理店がBroadcomと顧客の板挟みで苦しんでいる状況が分かる。 - 渦中のVMware問題、ベンダー各社はどう動く? 今後の対応を直接聞いた
VMware製品のコストアップの影響はユーザー企業だけでなく、VMware製品をサービスに組み込んで提供している事業者にも及ぶ。今後の価格改定や対応方針など、ユーザーが気になるところを独自のベンダーアンケートで尋ねた。