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「コストを抑えて新技術を導入しろ」 IT部門はムチャぶりにどう応えるべき?CIO Dive

ビジネスにおけるITの役割が重視される一方で、コスト抑制を求める傾向も強まっている。「新技術を導入しつつコストは抑制せよ」という難問にIT部門はどう応えるべきか。

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CIO Dive

 経営におけるITシステムの役割が大きくなる中で、コストの抑制を求めるプレッシャーも強まりつつある。

“ムチャぶり”にどう応える? PwCやForresterらの提言を紹介

 ビジネスリーダーは、業務の合理化や生産性の向上、顧客体験の強化をIT部門に求めている。CIO(最高情報責任者)の課題は、プロセス全体を通じていかにコストを抑制するかだ。

 「新技術を導入しつつコストは抑制せよ」という難問にIT部門はどう応えるべきだろうか。

 クラウドからAI、サイバーセキュリティに至るまで、IT部門の責任者は、資金繰りを破綻させることなく強力なテクノロジーを導入するというバランスを取らなければならない。投資は慎重に判断すべきだが、イノベーションに後れを取ることは避けなければならない。

 IT支出の健全な水準を維持するために、CIOやその他の技術責任者は、自社にとって優位性のあるユースケースを迅速に特定し、組織全体のITコストの可視性を高め、自動化を活用してクラウド費用の高騰を食い止める方法を学ばなければならない。

 ここでは、IT予算を維持するための技術責任者による4つのヒントを紹介する(原注:以下のコメントは、長さと明確さを考慮して一部編集した)。

フェローズ・メルチーヤ氏(サンタモニカ市CIO)

 CIOは、自分が所属する組織のニーズを正しく把握し、新しくて魅力的な技術に心を奪われないようにする必要がある。手元にある資産を確認し、それが何をもたらすのかを確認した上で実際の「ギャップ」を特定しよう。

 技術者であるわれわれは、新しいテクノロジーに惹かれるものだ。それらを活用することは悪いことではないが、明確なユースケースが必要だ。

ダン・プリースト氏(コンサルティングを手掛けるPwCの最高AI責任者)

 落とし穴の一つは、チームに実験用の投資資金を提供するだけで、ROI(投資利益率)を監視および管理しないことだ。特定のAI投資が成功に結び付いていることを追跡できるようにする必要がある。

 また、どこで成果が出ていないのか、投資戦略や構築アプローチ、イノベーション戦略のどこを調整する必要があるのかを理解することも重要だ。

ジェニー・リン氏(金融業界にITソリューションを提供するBroadridge Financial Solutions グローバルチーフアーキテクト)

 全てを自動化しよう。アラートやデータの透明性を高めて設定を自動化し、適切なガードレールを構築し、ビジネスや技術の意思決定者が適切な判断を下せるようにしよう。

 われわれが注力しているのは、基本的なケースを自動化することだ。FinOps(クラウド支出を最適化してクラウドの価値を最大化するための財務オペレーション)におけるベストプラクティスを活用し、それを支える人材とプロセスを整えることだ。

トレイシー・ウー氏(調査企業であるForresterのプリンシパルアナリスト)

 簡単に実行できる方法の一つは、クラウド費用に関するレポートを作成し、毎週異なる経営幹部や担当者に送ることだ。これは必ずしも最初から用意されているわけではない。それが存在しない場合は、自分で用意しなければならない。これがFinOpsにおける課題の一つだ。全員を巻き込む必要がある。

 重要なのは、CIOやCFO(最高財務責任者)がどのくらいの頻度でこれらの会話に関与しているか、クラウド費用がどれだけ「見える化」されているかという点だ。

原注:本稿は、2024年8月14日(現地時間)に開催された「CIO Dive」のライブバーチャルイベントで得た知見を基に執筆した。セッションの内容はオンデマンドで確認できる(注1)。

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