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中小企業の生成AI活用状況は? Dell調査が示す成果と課題

Dellが全国992社に調査を実施し、中小企業の生成AI導入実態を明らかにした。導入企業の4割が成果に乏しく、活用ノウハウや人材の不足が課題となる。CopilotやChatGPTの利用が進み、今後はAI対応PCの普及が鍵を握る。

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 デル・テクノロジーズ(以下、Dell)は2025年5月12日、国内中小企業における生成AI活用の現況とITインフラに関する動向をまとめた調査結果を公表した。2024年11月上旬から下旬にかけて、全国の中小企業992社を対象にAIの導入状況や課題、今後の展望を明らかにしている。

生成AI導入のリアルと期待、中小企業のAI戦略

 生成AIは全体の15%の企業が業務に取り入れている一方、そのうち約4割の企業は「目立った成果を出せていない」と答えた。導入を検討している企業は3割程度あるものの、具体的な活用方法については模索段階としている。

 導入に向けての課題としては「生成AIを使いこなすノウハウがない」「活用方法がない」と考える企業が多く、特に人材不足や専門知識の欠如が障壁となっている。全体の約25%が「特に活用は考えていない」と回答する一方で、関心自体は高まっている傾向は見られる。今後、アプリケーションやサービスへの生成AI技術の活用が進めば、こうした課題の解消につながり、普及も進む可能性がある。

 生成AIの利用動向ではほぼ半数の回答者が「何らかの生成AIを利用したことがある」と回答。生成AIサービスの利用状況について会社での導入有無を問わず尋ねたところ、「ChatGPT」の使用率が高く、次いで「Microsoft Copilot」「Google Gemini」の順となった。利用企業の約75%が複数の生成AIサービスを試しており、自社に最適なツールを模索している状況がうかがえる。

 生成AIの活用業務では、定型業務の効率化が多く挙げられており、属人化業務の標準化など人材不足への対応策としても期待されている。製造業では従来の枠組みにとらわれない新しい製品企画や設計業務での応用が進んでおり、創造的業務への展開も視野に入っている。

 生成AIの普及に向けた課題としては、活用ノウハウの共有や費用対効果の見える化、操作性の向上、サポート体制の整備などが挙げられている。セキュリティや著作権など法的リスクへの対応も企業側の懸念事項となっており、生成AIベンダーにはこうした課題への対応が求められている。

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