「議事録AI」は今後利用が広がるか? 飛島建設が導入に踏み切った理由
飛島建設は、会議の議事録作成の負担を軽減するため、AI音声認識技術を活用した「LINE WORKS AiNote」を導入した。導入に至るまでのプロセスを担当者が語った。
飛島建設は、2025年AI議事録自動作成ツール「LINE WORKS AiNote」を導入した。約1カ月の試験運用を通じて、現場の生産性向上を実感し、本格導入に至ったという。
建設業界でも導入進む議事録AI、担当者が評価した点は?
建設業界では、施主と設計者、元請、協力会社など多くの関係者が関わる会議が頻繁に開かれている。議事録の正確な作成と共有は、プロジェクトを円滑に進めるために不可欠だ。会議では、是正指示や設計内容の確認、工程調整などの重要な情報が交わされ、正確な記録と共通認識の形成が求められる。
だが、議事録作成に時間と労力を要し、特に現場作業後の記録対応は従業員の大きな負担となっていた。この問題を解決するため、飛島建設は「LINE WORKS AiNote」を試験的に導入し、その効果を検証した。
その結果、作業時間の短縮と業務負担の軽減が見込めることを確認でき、2025年6月から本格導入を決定した。LINE WORKS AiNoteは、AIの音声認識技術を活用し、会議やインタビューの音声を自動でテキスト化するサービスだ。話者識別機能にも対応し、ビジネスシーン全般で活用可能だ。また、「LINE WORKS」と同じIDとパスワードを利用できるため、導入時の負担が少なく、スムーズに業務に組み込める点が評価された。
飛島建設の科部元浩氏(建築本部 建築FSC施工G 次長)は、次のようにコメントする。
「これまで複数の議事録作成サービスを試しましたが、LINE WORKS AiNoteは直感的なインタフェースに加え、日本語の文字認識精度が高く、誤変換が少ない点が優れています。話者分離機能も精度が高く、誰が何を発言したかを明確に記録できるため、確認がスムーズです。オフライン会議ではスマートフォンで録音と文字起こしができ、現場の従業員も手軽に利用できます。さらに、『Zoom Meetings』や『Microsoft Teams』とも連携でき、オンラインとオフライン問わず利用可能な点も導入の決め手となりました」
飛島建設は「e-Stand」などのITツールを積極的に導入し、業務効率化を進めてきた。LINE WORKS AiNoteの導入により、現場の事務作業のさらなる効率化を推進し、働き方改革を促進させる方針だ。
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