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9割が直面する「ワークフロー導入後の落とし穴」 運用と教育で壁を乗り越える方法
サイオステクノロジーが実施した調査からワークフロー導入後に多くの企業が社内展開や教育面で苦慮している実態が明らかになった。運用と教育の壁を乗り越える方法とは。
ワークフローシステムは、業務の可視化と効率化を支える重要な基盤として多くの企業で活用されている。しかし、実際に運用を開始すると社内への展開や従業員への教育面で課題を抱える企業が多い。
サイオステクノロジーが実施した調査ではシステム導入後に直面する具体的な運用上の課題や、システム選定段階で本来重視すべきだった点などが明らかになった。
ワークフロー導入後の落とし穴、運用課題と現場の本音
サイオステクノロジーは2025年6月12日、ワークフローシステム導入後の課題に関する調査結果を発表した。同調査は、従業員数100人以上の企業において、半年以上3年未満にわたってワークフローシステムを運用している情報システム担当者110人を対象に実施された。主な調査結果は次の通りだ。
- 約半数が、ワークフローシステム選定時に「(利用者にとって)直感的で分かりやすいUI/UX」を重視
- 4割以上が、運用面で「利用者向けの操作方法の教育とヘルプデスク対応」や「紙業務をシステムに合わせて標準化する難しさ」の課題に直面
- 「入力規則の設定」や「承認経路のシステム設定と規定との一部アンマッチ」などの課題も浮上
- ワークフローシステム導入時に想定していなかった「思わぬ壁」の第1位は「一部業務が、自社都合でワークフローに載せられず残った」
- 「思わぬ壁」の克服方法としては「ベンダーや外部構築ベンダーに有償で依頼・業務委託した」が48.0%で最多
- 44.5%が、選定時に「業務変化に合わせた柔軟な設定・調整のしやすさ」を重視すべきと実感
- 運用開始以降に求められた業務変化への対応については、「業務プロセスの改善・効率化の取り組み」と「社内規定・ルールの変更への対応」を合わせて9割弱になる
- 約9割が運用開始以降の業務変化に対して、「ワークフローシステムは柔軟に対応できた」と回答
- 運用コストにおける負担については、「利用者からの問い合わせ対応と教育コスト」が48.2%で最多
- ワークフローシステムの運用において、「検索性の高いログ・履歴管理機能」を求める声は44.5%
今回の調査では、ワークフローシステムの導入に当たって、初期コストや見た目の分かりやすさといった表面的な要素だけでなく社内浸透の難しさや利用者からの問い合わせ対応、教育工数など、導入後の運用に関わる課題への配慮の必要性が示された。
長期的に使い続けられる利便性や、社内の業務変更に柔軟に対応できる仕組み、継続的なサポート体制に加え、利用者が自律的に問題を解決できる環境の整備を含めた運用の継続性を見据えた視点が求められている。
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