生成AIの業務利用は道半ば、課題は業務フローへの組み込み ストラテジット調査
ストラテジットの調査によると、生成AIの業務活用は広がりつつある一方で、本格定着には至っていない企業が多い。背景には、業務フローへの組み込みや業務システムとの連携に関する課題があるようだ。
ストラテジットは2026年3月31日、「生成AIの業務活用に関する実態調査」の結果を公表した。調査は情報システム、DX推進、業務部門、経営職などのビジネスパーソンを対象に実施し、120人から有効回答を得た。それによると、多くの企業が生成AI活用の入り口段階にあることが分かった。
生成AIはなぜ業務に定着しないのか
生成AIの業務利用状況について尋ねると、「生成AIを業務利用している」(本格的に利用している、一部業務で利用している)は約27%だった。一方、「生成AIの業務利用方法を検証している」(PoC〈概念実証〉中、試験導入段階、個人利用のみ)は約46%、「利用していない」は約27%だった。このことからストラテジットは「多くの企業が本格展開の前段階にある」と分析している。
生成AIを業務で活用できていると感じるかどうかについては「十分に使えている」「ある程度使えている」と答えた割合は約3割にとどまり、多くの回答者が「使えていない」と感じていることが分かった。活用できていない理由としては、「業務フローに組み込めていない」が最も多く、続いて「業務システム(SaaS)と連携できていない」「データの受け渡しが手作業になっている」が挙がった。生成AIそのものよりも、既存業務やシステムとの接続方法が課題になっているようだ。
一方、課題はあるものの、業務システムとの連携には前向きな姿勢が見られた。生成AIと業務システムの連携状況について「複数の業務システムと連携している」「一部と連携している」「連携を検討している」を合わせると74%を超えていた。連携を希望する業務としては「データの検索、参照」「問い合わせの一次対応」「データ登録、更新」などが上位に並んだ。
生成AIが業務システムに直接アクセスすることについては、約60%が「活用したい」(積極的に活用したい、条件付きで活用したい)と回答した。条件付きで活用したいと答えた人に、その条件を尋ねると「権限、ロール管理の明確化」「操作ログや監査証跡の確保」「実行前の人による確認」といったガバナンス面の整備が挙がった。
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