生成AIの利用ルール「整備されていない」が最多 個人だけでなく企業間でもAI格差
生成AIを業務で活用する人が増えている一方、その活用度合いは個人によって差が出ている。企業の利用ルール整備も追い付いていないのが現状だ。活用においては課題も多いことが、あるアンケートで明らかとなった。
生成AIが普及する一方で、その活用度合いやルール整備は個人・企業ごとに差が出ている。アスノシステムが会社員や経営者、役員を対象に実施した「生成AI活用に関する実態調査2026」により、その利用実態や活用効果、不安、企業に求める対応が示された。
生成AIの利用ルール「整備されていない」が最多 利用者増に追い付かない実態
仕事で生成AIを利用したことがあるかという設問では、「利用したことはない」と答えた人は43.3%で、利用経験者と未利用者がほぼ二分された。「生成AIを知らない」は5.7%、「利用したいが会社で利用禁止」は2.0%だった。
利用経験がある人に対して、その活用頻度を尋ねた設問では、「週に数回」が42.9%で最多、「毎日」が34.0%で、両者の合計は76.9%だった。一方、「月に数回」は14.3%、「数回使った程度」は8.8%となった。利用者の多くが試用にとどまらず、業務ツールとして継続利用している姿が示された。
利用したツールは「ChatGPT」が64.0%で首位となり、「Gemini」(47.6%)、「Microsoft Copilot」(44.2%)が続いた。「Claude」は8.2%、「Grok」「Claude Code」「社内独自ツール」は各4.8%、「OpenAI Codex」は3.4%、「GitHub Copilot」は2.7%、「Cursor」は1.4%だった。対話型AIが中心で、開発支援系や社内独自ツールの利用は限られていた。
利用目的は、「情報収集」が77.5%で最多だった。「アイデア出し」(52.4%)、「文章作成」(51.7%)も半数を超え、「要約」(38.1%)、「資料作成」(35.4%)、「翻訳」(28.6%)が続いた。「プログラミング」は19.1%、「意思決定支援」は15.7%、「企画立案」は15.0%、「マーケティング分析」は10.9%で、調査や発想、執筆に加え、企画や分析、判断支援にも用途が広がっていた。
生成AI利用の利用による業務効率向上については、「1〜3割程度向上した」が49.7%、「3割以上向上した」が21.1%で、1割以上の向上を答えた人は70.8%だった。「1割未満の向上」(17.0%)を含めると、何らかの効率向上を感じた人は87.8%に達した。「悪化した」は0.0%だった。生成AIが作業時間の短縮や生産性向上に寄与している可能性が示された。
利用時の不安は、「回答の正確性」が49.7%で最多、「情報漏えい」が43.3%で続いた。「著作権」は18.7%、「社内ルール」は12.7%、「スキル低下」は11.3%、「業務で使うことへの心理的抵抗」は10.7%だった。利便性の裏側で、出力の信頼性や機密情報の扱いに加え、利用者の技能や心理面への懸念も確認された。
勤務先の利用ルールは「明確に整備されている」が15.3%、「一部整備されている」が21.0%にとどまった。「整備されていない」(45.3%)と「分からない」(18.3%)の合計は63.6%で、利用可否や入力可能な情報、成果物の確認方法が十分に共有されていない職場が多い実態を示した。
生成AIを使いこなせる人とそうでない人で業務成果に差があると感じる人は、「大きくある」(16.3%)と「ややある」(40.7%)の合計で57.0%だった。「あまりない」は22.0%、「ない」は21.0%で、半数超がAI活用力による成果差を意識していた。
企業に求める対応は「利用ガイドライン」が46.0%で最多となり、「セキュリティ対策」(45.3%)、「教育・研修」(38.0%)が上位となった。「成功事例の共有」は17.7%、「有料ツールの導入」は17.0%だった。ツールの導入だけでなく、ルールや教育、安全対策を一体で整える必要性が示された。
なお、今回のアンケートは、会議室.COM(アスノシステム株式会社)調べで、会社員・役員・経営者300人を対象に、インターネット調査で実施された。調査期間は2026年7月。
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