定型応答をAIにまかせて電話対応の負担軽減 完全ローカルなAIコールセンター登場
X-HACKは中堅企業を対象としたAIコールセンター支援サービス「ContactX」の提供を開始した。AIが定型応答や通話要約、CRM入力補助を担い、人が判断を要する案件へ対応する仕組みで、既存環境との段階導入や完全ローカル構成に対応する。
コールセンターや問い合わせ窓口では採用難や離職の影響で人員不足が続き、応対品質が担当者ごとの差を受けやすい状況にある。通話終了後には要約や分類、CRM入力などの後処理が発生し、業務負担となっている。
X-HACKは2026年7月16日、中堅企業を対象としたAIコールセンター支援サービス「ContactX」の提供を開始した。AIによる自動応答やオペレーター支援、通話要約、CRM・基幹システム連携を一つのパッケージとして提供し、通話データを社外へ送信しない完全ローカル構成にも対応する。
AIと有人対応を組み合わせ 完全ローカル対応で個人情報を保護
AI電話対応製品の多くはクラウド利用を前提とするため、個人情報や契約情報を含む通話データを社外へ送信できない業種では導入障壁があった。ContactXは、この課題に対応するため、自社環境で生成AI(Local LLM)を稼働できる完全ローカル構成を用意した。通話データを外部へ送信しない運用を設計でき、個人情報や契約情報を扱う業種への導入を想定している。
サービスは「完全自動化」を前提とせず、人による確認を組み込んだ運用を採用した。定型業務はAIが担当し、判断を要する案件は担当者へ引き継ぐ構成だ。電話業務の効率向上と現場負担の軽減を目的としている。
ContactXは「ContactX Voice」「ContactX Assist」「ContactX Log」の3つの機能で構成される。「ContactX Voice」は定型問い合わせや一次受付、営業時間外対応をAIが受け付け、人による対応が必要な案件のみ担当者へ接続する。「ContactX Assist」は通話内容を基に回答候補や確認項目、ナレッジをリアルタイムで提示し、オペレーター業務を支援する。「ContactX Log」は通話終了後に要約や対応履歴、問い合わせ分類、次回対応案を作成し、CRMや基幹システムの項目へ連携する。
既存システムとの接続方法にも配慮した。PBX、CTI、CRM、基幹システムの状況に応じ、API、RPA、CSVを利用した接続方式を選択できる。初期段階から大規模構成を求めず、対象業務を限定した導入が可能としている。
導入は実証を前提とした段階方式を採用している。現場への聞き取りからシステム連携、テスト運用、改善まで一貫して支援する。対象窓口や問い合わせ種別、連携項目を限定したPoCで効果や指標を確認した後、対象範囲を順次拡大する流れとした。
対応対象として、営業時間外の一次受付や定型FAQへの回答、折り返し予約、問い合わせ分類、通話要約、CRM入力の下書き作成を挙げる。本人確認や例外判断、苦情対応、契約判断は担当者による確認へ切り替える設計とした。
提供形態はAIコールセンター導入支援で、自動応答やオペレーター支援、通話要約、CRM連携を含む。導入形態は完全オンプレミスと、専用VPC・プライベートクラウド、ハイブリッドから選択できる。対象は中堅企業を中心とした電話問い合わせ窓口やコールセンターを持つ事業者を想定している。
X-HACKは今後、EC・通販や保険、通信、修理受付など、業種別の導入パターンやセキュリティ要件へ対応するメニューを拡充する方針を示している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
カプコン、分析基盤刷新でレポート作成時間を約80%削減 Tableau Cloud統合で
カプコンは、日立ソリューションズの支援のもと、分析基盤を刷新した。ゲームソフト販売の約90%をデジタル販売が占める同社の分析環境を向上させ、AI活用を見据えた整備で経営基盤を強化した。
書類の電子保存「どこを探せばよいのか迷う」が80%超え 紙から変えても残る課題
データ保存の電子化は利便性を高める一方、複数ツールにまたがり目的の書類が見つけにくいという問題も生みやすい。業務文書の管理・参照を担う会社員を対象とした調査で、企業の抱える書類データ管理の課題が見えてきた。
図面探しに1時間……現場の非効率をなくすため、老舗企業が選んだ“ある共有ツール”
老舗メーカーのカワカミは、紙による図面管理が引き起こす「探し出す手間のロス」や「現場と事務所の往復」に悩まされていた。この課題に対し、製造ラインを止めない効率的なデータ共有基盤の構築に踏み切った。
「RPA負債」をこれで解消 言葉で指示するだけでPC作業を自動化する最新AI
RPAでは、保守負担や属人化、画面変更による停止といった課題が付きものだ。こうした「RPA負債」を解消する手段として、AIが状況を判断して操作するAIエージェント型RPAが登場し、業務自動化の対象をデスクトップへ広げ始めている。