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「脱Excel」しても、いちばん働いているのはExcel 給与計算の調査に見る実態

業務システムを導入すれば、Excelでの管理は減っていく――そう考えていたはずが、現場ではむしろExcelが手放せない。給与計算システムの利用者を対象にした調査では、86.6%がExcelやスプレッドシートを併用していた。なぜ「脱Excel」は進まないのか。

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 業務システムを導入しても、その横で「Microsoft Excel」(以下、Excel)が使われ続けることがある。

 もちろん、Excelを使うこと自体が問題とは限らない。だが、せっかくシステムを導入したのに、なぜ別の管理手段が残るのかという疑問は残る。現場の慣れや使い勝手だけで説明できるのか、それともシステム化の進め方そのものに理由があるのか。

Excelは何のために残っているのか

 LayerXが給与計算システムを使って給与計算業務に関与する500人を調べたところ、86.6%がExcelやスプレッドシートを給与計算システムとは別に利用していた。

 用途を見ると、システムの計算結果を確認する「検算用Excel」が45.0%、異動など将来の変更情報を適用月まで保管する用途が43.6%、住民税や変更履歴の管理が32.0%だった。システムで給与計算そのものを処理できても、その周辺では別の管理手段が使われていることが分かる。


給与計算システムを導入していても、Excelでデータを管理している(提供:LayerX)

 変更情報の扱いにも同じ傾向が見える。昇給や住所、扶養情報などについて、36.4%はExcelなどにいったん蓄積し、適用月になってから手動で転記するか、CSVファイルとして取り込んでいた。12.2%はメモやチャット、メールなどに記録し、月末にまとめて入力していた。

 つまり、システムで処理する前の段階で、将来反映する情報をどこかに置いておく必要があり、その受け皿としてExcelなどが使われている。単に「昔からExcelを使っているから残っている」というだけではなく、システム上で扱いにくい情報を補う役割を担っていることがうかがえる。

確認作業でもExcelと手作業が残る

 Excelが使われるのは情報管理だけではない。給与計算結果を確定する前のチェックでも、システム外の作業が多く残っていた。

 確定前チェックをシステム内で完結している割合は10.6%で、89.4%は何らかの確認作業をシステム外で実施していた。給与データと人事データをCSVファイルで出力し、Excelで突き合わせる方法は67.1%、全社員分を目視で確認したり読み合わせたりする方法も45.9%に上った。


システムの“外”で数値をチェックしている実態(提供:LayerX)

 システムが計算した結果を、そのまま確定するのではなく、別のデータや人の目でもう一度確認する。そのためにExcelが使われている構図だ。

 こうした運用を見ると、Excelが残る理由は1つではない。システムに入れる前の情報管理に使うケースもあれば、システムが出した結果を確認するために使うケースもある。業務の中心にシステムがあっても、その前後を別のツールや人手が補っている。

Excelが残る業務ほど、締めも長くなるのか

 こうしたシステム外の作業は、業務にかかる時間とも無関係ではなさそうだ。

 調査では、締日から給与締め完了まで5営業日以上かかるとの回答が48.3%だった。一方、即日から2営業日で完了するとの回答は12.2%だった。


給与締め期間が長引く理由は(提供:LayerX)

 さらに、月次締めに5営業日以上かかる企業と5営業日未満の企業を比較すると、「給与計算システムに外部データを取り込むための手作業集計」が締め期間短縮の妨げになっているとした割合は、それぞれ37.4%と16.4%だった。差は21ポイントで、調査項目の中でも大きな開きが見られた。

 もちろん、この調査だけで「Excelを使うから締めが長くなる」と因果関係まで断定することはできない。ただ、システムの外側に手作業が多く残る企業ほど、締め作業でも負荷を抱えている傾向は読み取れる。

問題は「Excelを使っていること」ではない

 この調査から見えてくるのは、システム導入の有無だけで業務のデジタル化を判断するのは難しいということだ。

 業務の中心となる処理がシステム化されていても、入力前の情報を別に管理し、出力後のデータをExcelで確認し、システム間を人がつないでいる状況では、現場の仕事は変わらない。

 だからといって、Excelをなくすことに躍起になる必要もない。重要なのは、そのExcelがなぜ存在するかを見極めることだ。単なる集計表なのか、システムに入らない情報の置き場なのか、複数データを照合するための道具なのか。役割を確認すれば、システム化した後にも残った業務上の論点が見えやすくなる。

 システムを入れたのにExcelが減らない業務では、まず「そのExcelが何を補っているのか」をたどることが、業務を見直す出発点になりそうだ。

 なお、本稿は2026年8月3日にLayerXが発表した「給与計算の月次締め」に関する実態調査を基に再構成したものだ。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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