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「売れたのに利益にならない」を解消する最新SCMとは?IT導入完全ガイド(1/2 ページ)

過去のSCM導入ブームの反省を生かした次世代SCMとは? 将来を予測するための実績管理とコントロールの手法を整理する。

» 2016年07月19日 10時00分 公開
[原田美穂キーマンズネット]

 「作ったけれど利益が見込めない」「売れたけれどもうからない」「原価が掛かり過ぎ」が発生する理由は何か。サプライチェーン管理だけでは見えにくいモノづくりと「おカネ」の関係を改革する最新SCMの動向を解説する。

「SCM」を見直す

 サプライチェーン管理を高度化しようという流れは2000年ごろにいちど盛り上がりを見せたテーマだ。当時は円高などの影響もあり、日本国内の製造業では人件費の安い東アジアや東南アジアに製造拠点を移す動きが顕著になり、部材の調達や製品の輸送を含むサプライチェーンが従来と比較して非常に長くなった時期でもある。

 サプライチェーンが長くなったことで、為替や関税、輸送ルートごとのコスト比較など複雑な検討ポイントが増えた。各ポイントでどのように需給バランスを調整するか次第で在庫が想定外に積みあがったり、部材調達が遅れた場合には生産ラインがストップしたりするリスクも大きくなった。

 このころ、国境をまたぐ自由貿易協定と地域内の労働賃金格差を利用した低コストでの製造で先行していたのはEU経済圏だ。このとき、課題となったのは「サプライチェーンが長過ぎて、在庫などの財務リスクが把握できない」という点であった。各拠点からの情報を集計するうちにリスクが積み増されていくといった問題が顕著になったのだ。

 ITソリューションベンダーが提案したのは、製造(生産)と販売の情報を連携させることだ。需要と供給の情報を密に連携させることで在庫のムダを解消することに主眼が置かれており、需要と供給のバランスを人間に頼らず均質に効率化するためにITツールが採用された。

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